インターネットには、本当にさまざまな情報があるが、時代が進むほどに、全部タダになる。
昔は、物を買う時にいろんな店に行って情報を集めたり、何か調べる時も書籍を買ったり図書館で調べなきゃならなかったが、今は検索で、しかも無料でできるようになった。
しかも、その無料情報は、どんどん情報の内容が濃くなってきている。
仕事で使うちょっとした統計を検索してみても、10年前じゃ考えられなかった精度のものが、一瞬で手に入る。
しかも無料だ。
音楽や動画などのエンタテイメントコンテンツは、その無料の恩恵が最も早く消費者に届いた。
この流れは、確実にビジネス系の情報も無料で入手できる時代が次に来るのを指し示しているし、すでにその流れは来ている。
どんなビジネスでも使われるマーケティングの情報なんて、もはやネット上ではダダ漏れである。
特定の職業で使う専門書などにある情報はまだそこまで出ていないが、これらもダダ漏れになるのは時間の問題。
その証拠にアメリアの大学の授業なんてオンラインで開放してたりする。
そういう特殊な分野でさえも、情報をまとめたものは、無料で開放されてるわけで、そのうち全ての蔵書が無料化してもおかしくない。
とにかく、すべての情報、つまり、過去構築されたアーカイブは全部無料になる。
それの意味するところって、たとえば過去10年かかって導き出したものが、わずか1日で手に入る、と言っても過言じゃない。
だから、仕事で必要な、方法論ややり方、要はいままで経験とかを必要とするものは、学習すれば手に入るという時代でもある。
だって、先人が全部分かりやすくまとめてくれているし、それが無料で手に入るなら、金はなくてもやる気満々の若者がどんどん台頭してくる。
IT業界なんて、その最たる例。
プログラムを学ぶために学校にいく必要すらない。
私も、実際、html程度ではあるが、インターネットと3冊の書籍を6ヶ月間週末だけ使って、独学で、WEBマーケティングに必要な程度のスキルは4〜5年くらい前に手に入れた。
明日からWEB制作会社に入社しても、そこそこの即戦力として使えるくらいのスキルはあるだろう。
こうやって、やる気があって、一般的な学習能力があれば、10年選手に匹敵するノウハウが、無料で手に入る、ということだ。
あ〜WEBね〜できたらいいよね〜、オレできないけど、若いやつに任せてるわ〜、なんて言ってるオッサンたちは、確実に終わるってことだ。
つーか、特に社長とか、部長クラスにいるよね、こういう人。
まあ、サラリーマンの若いのでも、こういう勘違い君はいるから、年齢じゃないな。
単純に危機感とモチベーションの問題だ。
他人のこういう内的要因は、瞬発的にはあげられるが、継続的には上げられないので、私は素地の問題だと思っている。
それはさておき、こういう時代であるから、あなたが10年20年かけてやり方や方法論を学んでやっと食わしてもらった業界に、わずか半年とかでそれらをマスターした新参者が、殴りこみをかけてくるわけである。
そんなことが、次々と起こってくる時代がもうやってきてるのだ。
あなたの対抗する術は、どこにもない、だろうか?
私は、そうは思わない。
だって、知識を学んだだけじゃ、あなたと同じように稼ぐことは難しいからだ。
例えばいくら刀を作る知識を得たところで、30年選手の職人の作る刀には敵わないだろう。
そこには知識のアーカイブには書ききれない、物をつくるために必要な肌感覚があるからだ。
刀を作るために、AとBとCの工程を踏むことが分かっても、それをやるための道具を完璧に揃えても、実際に作ってみると絶対に作れない。
売れるくらいの精度の製品にするまでに、そういう道具や知識をどうやって使いこなすか、なんてことは、どんなに学習しても得ることはできないからだ。
これは、理論ではなく、感覚の問題だから、アーカイブにまとめることができないのだ。
つまり、例えば、現在入手するのに1,000万くらいする専門的な情報が、この先無料でダダ漏れになっても、売れるくらいのレベルの成果にする「使い方」までは、漏れることはないのだ。
私は、ここがコンサルティングというビジネスが、この先必要になってくると考えている所以である。
情報が多くなればなるということは、欲しい成果を出すための道具の種類が増えていくということである。
家事で言えば、労力をかけずに家を綺麗に保ちたいという成果を得るために、いろんな道具がある。
レイコップ、ダイソン、日本のパック式の掃除機、ルンバ、スチームクリーナー、、、どれも成果を出してくれるが、果たして、どれが自分にベストかは、インターネットのレビューを読むか、家電量販店の店頭で実際使ってみるかしかない。
しかも、家事って括り掃除機だけじゃなく、アイロンや洗濯機などの組み合わせで、機能が被らないようにとか考えていったら、無限にあるわけで、これを一つづつインターネットで調べて行ったら、発狂しかねない。
まだ、個人ユースのものは期限がないので、趣味感覚でもいいのだが、ビジネス需要のものは、こんなことしてたら資金を使い果たす。
ビジネスにおいて、時間は取り返しがきかない、唯一のものなのだ。
このように、インターネットというのは、あなたの時間を徹底的に奪う、悪魔のツールでもある。
とにかく、選択肢を与え続ける。
選択肢があるから、あなたは迷う。
迷うと、調べる。
あなたは成果が欲しいのに、リサーチという時間を費やす。
このリサーチは、全く生産性がない時間であるにも関わらず、この悪魔に、あなたの時給換算して、いくら払ってるのだろうか?
じゃあ、〇〇に詳しい、知り合いの✕✕さんに聞いてみるって?
あなたのお友達の✕✕さんは、本当にあなたの生産性を向上させるための情報と、実績をお持ちだろうか?
情報という「道具」は無料だが、本当に成果を与えるための「使い方」を教えるのは、時間がかかるし、労力が半端ない。
しかも、さっき申し上げた、他人がコントロール出来ないモチベーションが、相当高く無いと覚えないので人を選ぶ。
「道具」を使って、成果を手に入れる「使い方」は、さすがに無料じゃ無理だ。
成果にする使い方を得るには、それには、ちゃんとした専門家を周りに置くことだ。
ただし、学習だけしただけの専門家は専門家ですらないので要注意。
お分かりのように、知識は無料ってこと。
無料であるべき知識を与えられても、あなたは本を読む時間を短縮するくらいのメリットしかない。
素晴らしい商品や成果を出している人じゃないと、さっきの刀職人ばりの肌感覚は持ち合わせていないしね。
だって、自分の手を動かしてないから、道具を使うコツすら分かるわけがないのだ。
そういう、道具の使い方を昔から、「知恵」というのだ。
この「知恵」のある専門家と、「知恵」のない専門家がいるのも問題だが、もっと問題は「知恵」と「道具」を一緒に考えてる「知恵」のない経営者や企業担当者の多さだ。
「知恵」を無料と勘違いしてるのだから、いくら話しても話がカスリもしない。笑
そういう人たちは、得てして、安売りしか余念がないことが多いけどね。
「知恵」は、サルになくて、人間にある唯一無二のものである。
だから、どんなにインターネットが発達しても、絶対に、人間の「知恵」をインターネットから得ることはできない。
つまり、どんなに道具が発達したって、この「知恵」こそが、価値であり続けるのだ。