なんか、最近顔バレしてきたのをより実感する。
マーケティング関連の方が集まるような場所に行くと、アナーキーマーケティング!とバレる。爆
私は、加藤です。加藤って呼んでください。よろしくね。笑
でも、「アナーキーマーケティング」ってネーミングは、お会いする方たちに結構褒められる。
自分でも気に入って、このネーミングにしたんだが、5分程度で出てきた。笑
もちろん、5分で作ったわけじゃなくて、こういうのは今までの人生の中の20年くらいがあったから、出てくる。
降ってくるアイディアとは、そういうものだ。
そもそも、アナーキーマーケティングってネーミングにしたのは、私のアイデンティティの表現としては最適だなと思ったから。
私は、中学2年のときくらいにSEX PISTOLSをはじめとしたロンドン・パンクに出った。
友達の兄貴が聞いていたかなんかで、教えてもらったような記憶がある。
そのまえも、日本のインディースバンドをそんな経由で教えてもらった。
でも、そういうレコードやCDは、新宿とかにいかないと手に入らなかったし、中学生の私には簡単に手にはいるような金額ではなかった。
情報は「宝島」と「DOLL」っていう雑誌と、友達の話しくらいしかなかったが、情報がはいるたびに知識だけは増えてって、とにかく聞きたかった。
ちょうどその頃、はじめてエレキギターを手にしたから、テンションは上がりっぱなしだ。
エロ本と、音楽、そして、エレキギター。
全部、情報が与えられるほどに、欲しくて欲しくて欲しくて、それだけで一日中興奮できたのだ。
そんなとき、御茶ノ水の「ジャニス」っていう貸しレコード屋の話を友達から聞いた。
そこには、ブルーハーツやラフィンノーズとかの日本のインディースのレコードや、
セックス・ピストルズやクラッシュやダムドだけじゃなく、パンクやニューウェーブを中心とした海外のロックバンドのCDが貸してあるというのだ!
家の近くにある貸しレコード屋は、日本の歌謡曲のレコードやCDしか扱ってなかったから、
この品揃えを聴いた時に、鼻血がでそうになるくらいに狂喜した。
ジャニスが入っているビルの入り口は、ステッカーが有象無象に貼ってあって、小汚いライブハウスのような、
いわゆる、悪い雰囲気で、中学生の私はドキドキしながら、ワクワクしながら、いつも気持ちだけは大人びて、そのビルの階段を上がっていった。
古びた鉄のドアの向こうには、狹い店にところ狭しと並んでいる、世界中のいろんなバンドやミュージシャンのレコードやCD。
ほとんど、革ジャンを着た怖いお兄さんが真剣にCDラックを眺めていたり、レコードジャケットをすごいスピードで、チェックしてたりする。
それも、お互いの間合いをみながら、気を使って、自分の聞きたい音を探していた。
それは、まるで、レンタルビデオ店のエロビデオコーナーさながらだった。
中には、廃盤になってしまい、プレミアがついているものまで貸してくれるのだから、仕方ない。
私も、雑誌で見たレコードジャケットはほとんど記憶してたから、
そのものが目の前にあった時の衝撃と、向こう側にどんな音楽が流れてくるのか想像するだけで、何時間もその場所に居れた。
そうやって、毎回、厳選した数枚のCDやレコードを借りて、テープにダビングして、返す、ということを毎週のようにやっていたのだ。
頭のなかには、でっかいギターの音で、毎日うめつくされた。
CDとおんなじ音を自分のギターで出したかったから、学校から帰ってくると、
ショボイアンプのスイッチを入れて、エフェクターをおもいっきりあげて、安いギターのノイズだらけの音で練習しつづけた。
あの、のめり込み方といったら、何かに取り付かれたようだったなあ、と。
それから10年間くらいは音楽にのめり込みっぱなし。
その練習の過程で、いろんなジャンルの音楽を聞いたり、練習して自分のスタイルで弾けるようになっていった。
音楽の聞き方も全然変わってくし、ミュージシャンから得るものは音だけじゃなく、生き方や考え方も学んだ。
いろんな人と演奏するようになって、音でコミュニケーションすることを知った。
外国のライブハウスに飛び入りで演奏して、コミュニケーションに言語は関係ないことも理解できた。
ただ、ギターが、それなりの高いレベルで弾けるってだけなのに、そのいろんな過程でいろんな人生の、人間の、魅力的なことに気づけたのだ。
そうやって私は音楽があったから今がある。
音楽を辞めたのは20後半くらいだったが、ちゃんとお金にするやり方が分からなかったからだ。
お金と、音楽、どっち取る?と何度も自問自答して、出てきたのが、お金!笑
ジジイになっても音楽できるよな、と思ったのを、さっき思い返した。
実は、いまのビジネスも全部こういう音楽でやってきた考え方ややり方を応用しただけだったりする。
クリエイティブやコンテンツや商品を作るだけじゃなく、売り方も創りだす、というやり方だ。
売る、ということができなくて、音楽で食べれなかったから、必死になって売ること体験してきた。
商品を作れても買ってくれる人がいないんじゃ、話にならない。
そうすると、不思議なことに、商品の付加価値って何かを気づくのも早かった。
それに、コンテンツがITの流れで無料になっていく意味も、正直、10年以上前にその本質が感覚的に理解できていた。
だから、従来の企業や前職のやり方の遅さや、考え方が時代とズレてるような感じ、つまり本質とのギャップに、とにかくモヤモヤしていた。
で、そういう事と戦いたくなったというか、勝てんじゃねぇのと思ったから、独立した、という側面もある。
だって、世の中の動きや流れの源流って、結局全部、最初はちっぽけな素晴らしいアイディアからはじまる。
そういう最先端のカルチャーにいろんな人が巻き込まれてメインストリームになってるだけだから。
道端でやってた音楽が、小さな汚いライブハウスでやってた音楽が、どんどん人を巻き込んで、最終的にメインストリームになってく、それが音楽だけじゃなく、いろんなところで起こるのが今の環境だ。
だから、自分で表現したり、作ったりできない奴らは、物事の中心になれないのだ。
それに、ここだけは、あと50年、100年経ったとしても、確実に人間の頭脳だけにしかできない。
つまり、ビル・ゲイツの言葉をもじって使わさせてもらうと、Creativty is King、なのだ。
創造性をカタチにできる者だけが生き残るはずだ。
だから、私は昔から、音楽を一人で形にできないとダメだ、文章を自分で書けないとダメだ、
営業して喋りでガンガン売れるようにならないとダメだ、
イラストレーターやフォトショップを使えて、デザインも自分でやれないとダメだ、
撮影のディレクションもやれないとダメだ、写真や動画を撮れないとダメだ、
企画も自分で考えて形にできないとダメだ、
HTML書けないとダメだ、PPCの運用もできないとダメだ、と、
全部自分の手でひと通りできないと、ヤバいという危機感を常に持っている。
だって、創造していくというのは、そもそも自分の頭にしかないものをカタチにしていく作業である。
それを、例えば、音楽だけでしか表現できないとしたら、ビジネスの側面から考えると、今の時代、相当ヤバい。
それに、音楽と歌詞というもので、その世界を100%創造できても、それは音楽を聞く人たちにしか届かない。
インターネットのような、マルチメディアの世界では、すごい制約だ。
いままでは、1つの教科で秀才的でないとならなかったものが、総合点の平均点の高さで評価される時代になってる。
だから音楽だけ作れるなんていうミュージシャンは、相当な天才肌でないと厳しくなってきているのは、まさにこの例だろう。
それに対して、Princeからはじまり、Jay ZとかPharrell Williamsとか、音楽でもビジネスでもマルチのミュージシャンが出てくる事自体、インターネットの世界の恩恵だったりする。
とくに、Princeなんて、ちょっと前に話題になったFreeというマーケティングの本に事例として出されているくらいだ。
当時のPrinceのマーケティングはヤバすぎて、ぶっ飛んだ。
70年代のデビュー当時から、マルチプレイヤーとして有名だったPrinceだが、マーケティングにまでやってくるとは、、、
音楽だけじゃないのか、この方は、と、衝撃で、(西野カナ風に)「ふるえた」。
だって、2007年の新作「プラネット・アース」をロンドンの「デイリー・メイル」の日曜版のベタ付にして、無料で280万部配布した。
↑当時の新聞とベタ付きのアルバム。
↑ちなみに、結構良いアルバム。Princeも相当気合入ってたのが伺える。
アルバムを100万枚以上売るアーティストが、こんなことをやるのは前代未聞。
周りは気が触れたか、Princeのいつものキチガイじみた行動だと思ったかもしれない。
結果は、無料のアルバムをそれを聞いた人たちが、コンサートのチケットを欲しがり、Princeとしても記録的な収益になったという。
8年も前の話だが、いまどうだろう?
有名アーティストは無料で配信し、LIVEに呼び込んでいるというのは定番の流れだ。
しかも、これは音楽だけじゃない。
インターネット上のいろんなコンテンツだけじゃなく、いろんなサービスが無料、もしくは定額になるし、それはリアルにも飛び火していく。
これは、7年くらい前に私が見ていた、今だ。
さらに、Princeは2010年にこんなインタビューがある。
プリンスが断言。「インターネットの時代は終わった」
プリンスはインターネットの時代はすでに終わっていると考えていることを明らかにしている。デイリー・ミラー紙とのインタビューでプリンスは今回の新作 『20Ten』をネット・ダウンロードで入手できなくしたのは、自身がネットのテクノロジーについてそう考えているからだと語った。「インターネットは完 璧に終わってるね」とプリンスは説明する。「そもそもなんでぼくの新しい音楽をiTunesなどに明け渡さなきゃならないのかさっぱり意味がわからないね。おまけに前金も払わないくせに音源をもらえないとやたら逆ギレするんだよね」。プリンスは07年に『プラネット・アース』のリリース時にしたように、今度の新作『20Ten』をデイリー・ミラー紙とデイリー・レコード紙の付録としてリリースする。インターネットがどうしてもうダメなのかプリンスはこう説明した。「インターネットっていうのはMTVのようなものなんだよ。MTVもある一時まではすごくヒップでイケてるものだったけど、突然、時代遅れになったからね。いずれにしても、世にごろごろしてるコンピューターもデジタル機器もまったくだめだよ。頭の中を数字でいっぱいにするだけなんだから。そんなのが心身にとっていいわけないだろう」。(c) NME.COM / IPC Media 2010
実際、AppleMusicの騒動をこの時点で予期してたのだろう。さすがである。
それに、マーケティングでも、OtoO、つまりオンラインtoオフラインの概念にビジネスが動いている。
マーケティングは、インターネット広告からオフラインへ動いていくし、もっと補完的な流れになっていくはずだ。
つまり、実際、最先端のカルチャーの動きを目で追うだけで、数年先の一般的なビジネスの形は安易に想像できるし、それはほとんど外したことがないというか、外し得ない。
そして、次にくるのは、スモールコングロマリットじゃないかと思っている。
いい例がDMMだ。
一見なんの統一性のないビジネスを一つの会社がやっているスタイル。
これはとくに、Pharrellの人気や動きをみてるとメチャクチャ感じるし、実際、DMMが業績を上げてるのを見ると悔しくてたまらないのだ。
ここで、超重要なのが、マーケティングだ。
このマーケティングの考え方やモノの見方を一歩でも間違うと、いま私が話ている内容が全部、バラバラになってしまのだ。
ひょっとしたら、あなたはここまで読んでも、私が気づいている流れを理解できかねるかもしれない。
ここのポイントは、あり得ないくらいメチャクチャに濃い顧客リストに対し、圧倒的に売れるマニアックな商品やサービスを一つの企業が企画して、その顧客リストに直売してるという、実に革新的で効率のいいビジネスモデルなのだ。
はっきり言って、どんな商品サービスを企画しても、ポイントをはずさない限りバカ売れするはずだ。
もちろん、音楽業界ではこのやり方は当たり前になってるだろうけど、一般的にはまだ浸透してない。
それを見据えていくと、このブログを私がやっている意味も感じていただけるのかもしれないが。
今日は、長くなったので、ここまで。