ユニクロのチラシを佐藤可士和にやらせない柳井社長。その理由とは? | アナーキーマーケティング

ユニクロのチラシを佐藤可士和にやらせない柳井社長。その理由とは?

マインドセット

フォーブスの2015年の日本人富豪番付がでた。

ユニクロの柳井社長がぶっちぎりでナンバーワンだ。

なんでこんなぶっちぎるのか。

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その理由の大きな要因に、チラシがある。

ユニクロの柳井社長がいまでも店舗のチラシ作りに関わってるのは有名な話だ。

ユニクロが業績を上げているのは、実はこのチラシが大きな役割をもっている。

来店のほとんどがチラシからだからだ。

「チラシはお客様へのラブレター」とチラシの重要性を語っているが、

まあ小売だからチラシやるだろうね、集客のために、、、

という程度で捉えてはいけない。

なぜ、柳井社長自らチラシ作りに携わるのか?

普通だったら、部下にまかせてもいいんじゃないか、なんて思うだろう。

ユニクロのチラシをみていると、社長が携わらずをえない部分が垣間見れるのだ。

まずは、ユニクロのチラシをよく見てみよう。

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■人気商品を安く!で訴求

ヒートテック、シルキードライなど人気商品を大きく扱うことで、来店を促進することができるのはお分かりだろう。

しかし、考えてみてほしいのだが、人気商品ってなんだ?ってことだ。

誰が、「人気商品」っていうのかということだ。

ユニクロが商品の人気ランキングや売上別に指標を出しているわけではない。

ただ、ユニクロが言ってるだけだ。

もちろん、中にはフリースやヒートテックなどのヒット商品があるのもわかるが、

それに紛れて、CMなどで頻繁に目にする商品も、「人気商品」ぽく映らないだろうか?

そういう人気商品も安くアピールすることができるので、消費者からみたらお買い得感が半端ない。

CMやWEBなどを外部のクリエイターの佐藤可士和さんにやらせているのも、

ユニクロの商品を誰が見てもよく見えるように、いいイメージが着くように、ってところだけ依頼しているのだ。

ぶっちゃけ、ユニクロにいって見てもらいたいのだが、正直、そこまでスゴイ商品なんかない。

でも、CMをやることで、なんか素敵な商品に感じないだろうか?

このように価値をガンガンに高めて、そんな人気商品を安く!というのは、来店を促進させるとんでもないオファーになるのだ。

ちなみに、佐藤可士和氏のプロモーションビデオをご覧頂きたい。

ユニクロ MOVIE 「UNIQLO INNOVATION PROJECT」

ベタベタのチラシの商品が掲載されているわけだが、見た後にチラシをみると、めちゃくちゃお得感を感じないだろうか?

これこそ、ユニクロのマーケティングテクニックであり、イメージ広告とダイレクト・レスポンス・マーケティングの絶妙たる組み合わせの数少ない好例である。

■セール価格で安く売っても利益は、業界卸値をベースに確保。

そもそも、ユニクロのビジネスモデルが製造から手がけて、直営店の直売で安く販売するという仕組みだ。

原価率は分からないが、少なくとも3割以下だろう。

って見ると、定価の半額以下の商品は存在しない。

50%OFFでも20%利益が残るのだ。

これは、通常のメーカーが流通に卸したときの利益率。

つまり、セール価格で売ってるのにもかかわらず、業界平均の粗利率は確保している。

■品揃え豊富をアピールし、選ぶ楽しみを訴求

脳科学的にも選ぶというのは快楽だそうだ。

所狭しとチラシに商品を詰め込むことで、ついで買い欲を高めることができる。

価格のフォントの大小があると思うが、小さいものは、このついで買い欲求を刺激するための当て馬商品だ。

例えばアウターなどは、店頭でよく見てもらいたいのだが、

チラシに掲載されているものと、されていないもので似たようなものを比較しても、そこまで値ごろ感はないものが多いはずだ。

■季節感や時期を切り口に加えて、今しかない感を演出(今買う理由を提示)

週末や連休の集客のためにチラシがまかれているのにお気づきだろうか?

この週末だけのセールだったり、冬のラインナップだったり。

アパレル商品は季節に左右されるため、時期のアピールが来店の大きなきっかけになるのだ。

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■コピーで煽りを入れる

価格訴求だけでなく、ちゃんとコピーで見出しもいれてるのだ。

逮捕されそうですね笑

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ダジャレ笑

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イケイケですね笑

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 もうちょっとコピーなんとかしたほうがいいでしょうね。笑

と、こんな分析をしたが、

こういうチラシはダイレクト・レスポンス・マーケティングの最たるもので、

チラシのオファーと売上とと比較した場合、お客さんがどんなものに反応したかが如実にわかる。

これこそ顧客の声そのものだ。

この現場の感覚値をトップが握っている会社は強い。

そして、これらをハンドリングするにあたって、マスマーケティング戦略、値決め、商品企画、生産管理、物流、などなど、店舗運営以外のほぼ全体のコントロールが必要だ。

これを、本社部長クラスでやっていても、確認に時間を要してしまうだろう。

つまり、プロモーションが回らなくなる。

だから、トップダウンで決めまくる。

現場の顧客の声を知っているからこそ、バンバン決めていけるのだ。

「マーケティングこそ、社長がやるべき仕事」

これは、アメリカのダイレクト・レスポンス・マーケティングの権威の言葉だが、

まさに、地を行っているのがユニクロなのだ。

こんな大切な仕事を佐藤可士和には頼めない。

彼は、デザインは出来るけど、マーケティング、特にダイレクトレスポンスマーケティングは一切できないのだから。

これが、あなたが一言で「マーケティング」で片付けてた、マーケティングの正体なのだ。