あなたは、最近テレビを見ているだろうか?
しかも、つまらないと言われている民放のドラマや、めちゃくちゃ下らないとされているバラエティ番組を見ているだろうか?
最近の中高生はテレビを見ずにニコ動やYouTubeに夢中だとも聞く。
そこで作られる新しいカルチャーは、視聴者が参加できることが最大の魅力だろう。
面白い動画を作れば、自分がスターになれるかもしれない、しかも手軽に発信できる、っていうこんな刺激的なことは今までなかったのだから。
クラスのただのひょうきん者が世界中を相手にお笑いやれたりするわけだし、
学年で一番ギターが上手いやつが世界中を相手にプレイを披露できる時代である。
競争相手がいる土俵が一気に上がったわけで、こういうとんでもない子供が出てくる。
完敗です。
これをやろうとすると、とんでもない集中力と、絶え間ないトレーニングが必要で、絶対私はモチベーションをキープできない。
マジ無理。
ギターで食ってたら、廃業である。本当よかった、、、笑
私は、ゆる~いグルーブをバックに、腹の上でGibsonES335をキュイ〜ンと、かき鳴らしてるオヤジになればいいや。
もう地味すぎて、なんと動画向きでないことか!笑
まあ、こういうことが、音楽だけでなく、いろんなところで起きている。
ネットの動画サイトは、実に素晴らしいイノベーションである。
しかし、こういうスゴイ時代なのだが、ただ、私はテレビ見たほうがいいと思っている。
巨額の予算のコンテンツを無料で見られるからだ。
だっていくらかかってるか知ってる??
ちょっと古いけど、コレ見て欲しい。
驚愕!テレビ番組の制作費
『SMAP×SMAP』 5000万円
『めちゃイケ』 3000万円
『龍馬伝』 6000万円
『月の恋人』 5000万円
『ONE PIECE』 1000万円
今のところ、ネットにこんな予算を使って制作されたコンテンツは存在しない。
版権の問題などで、動画サイトで見れるものは、アニメくらいなのだが、もしネットに開放されたら、破壊的な視聴数になるはずである。
その証拠に、実際中国の動画サイト「Youku」の話をしよう。
ここには、日本のアニメやドラマなどが、1〜2日程度で中国語字幕付きでアップされている。
7年前の2008年1月には視聴数が1日1億本を突破し、Google買収当時のYouTubeに匹敵するレベルだったという。
今やどれくらいの視聴数だかデータがなくてわからないのだが、破壊的な数字になっていることは間違いないだろう。
こんな莫大な視聴数を支えている理由はまさに、上記の予算がかかっている上質なコンテンツがネットに開放されたからでしかない。
つまり、ネット上の投稿動画よりも、よっぽど面白いのである。
誰だよ!テレビ面白くねぇとか言ってるの!
だって、よく考えて欲しい。
これだけの予算の中で、何人の人間の頭脳でブラッシュアップされて、どれだけの労力を使われて撮影されるのか!
特に、物語を役者が演じて、それを撮影し、一つの動画にまとめるなんていうのは、なかなか至難の業である。
ストーリーを分かりやすくきちんと伝え、見る人を引き付けるという「演出」があるコンテンツは、動画サイトにはないのだ。
動画サイトのコンテンツはほとんど演出が必要ない、一発芸的なものや、人物のキャラクターを全面に出すようなコンテンツに偏ってしまう。
演出をきちんとした、まさに「リッチコンテンツ」はテレビや映画しかないし、無料で見れるテレビはコンテンツの王様である。
そもそも、動画を作る時、テレビのインプットがなきゃ、面白いものを作れないだろう。
テレビをたくさん見ないと、テレビでできない企画なんか考えられないし、低予算でも面白いものを作ることもできない。
テレビという無料コンテンツが一般的に刷り込まれている以上、あれ以上のクオリティが求められるのも事実である。
だから、私は、常に話題のドラマやバラエティをハードディスクレコーダーに撮り貯めて、土日に早回しで一気に見る。
いろんな演出の勉強になるし、そもそもアイディアの宝庫だ。
所詮人間の頭なんか、天才以外は構造一緒なんだから、一つより二つあったほうがいいものを作れるし、二つより三つ、五つあったほうが面白いものが作れるのである。
そういうアイディアの集合体のテレビは、人を楽しませるコンテンツの作り方を学ぶのに、最強のメディアであるのだ。
それに、CMだって見逃せない。
広告なのに、どんどんコンテンツ化しているのに、あなたは気づいているだろうか?
広告というのは、本来売り込みである。
買って!買って!というのが広告。
なのに、コンテンツ化して売り込み臭をなくしてるのだ。
最近だとauの桃太郎なんかいい例だ。
大手企業が消費者の日常にいつも寄り添いたい、と思うほど、こういうコンテンツのようなCMが正しいのだ。
売り込むのは、最後の数秒のテロップだけ。
大手企業の余裕が伺えるってものである。
ただ、見方を変えれば、こういうのもあなたの会社のコンテンツ作りのヒントになるのだ。
こういうネタは常日頃からインプットしてないと出てこないのだ。
企画力がないからとか、アイディアが出てこないとか言ってるヒマがあったら、せめてテレビくらい見たらどうだ!と。