私が会社を立ち上げたのは、なんと、リーマンショックの翌年。
リーマンショックの年に、それまで務めていた広告会社がぶっとんで、100人近くが路頭に迷った。
前職は10人くらいの頃から入社して、7〜8年で100人位の規模になったのだが、
社長が愛人抱えて、マンション与えて、会社にその女が顔出すようになったくらいから、あきらかにおかしくなった。爆
調べてみると、会社は、相当アングラな方々から借金してたらしく、なんかで揉めたようで、一気に貸し剥がしにあったのだ。
その時、そっちの業界のインテリ系のナリをした方々が乗り込んできて、その中のひとりの個人名義の口座に、売上を振り込め、と営業部に指示された。
そして、5人位の手下を経理の島につかせて、振り込み先変更の依頼の電話を方々に電話していたのを見た瞬間、辞表を書いて受け取らせた。
そんな輩に絡んでたら、後々問題が起きるしね。
やめた事実をさっさと作ったほうがいい。
しばらく残ってた同僚から後日話を聞いたら、その後、キッチリとパンチ当てた分かりやすい風貌の方がご来社され、
大会議室のお誕生日席に座り、足をテーブルに上げてタバコ吸ってたらしい。
ハイ、もうアウト。
そんで、その社長は、ウン十億の借金背負って、いまだ行方不明。
いまおそらく東京湾の下、生きていたらひょっとしたら原発作業しているかもしれない。
さすがに、命あっての物種、生きてることを願うばかりだ。
と、まあ、私は、2時間半くらいのガチのヤ◯ザ映画がこれだけで撮れるくらいの実話ネタを持っている。笑
ちなみに、私はソノ筋の人ではありません!間違えないように!w
実は、その2年位前から、辞めたいです、独立します、みたいな相談をしていたのだが、あと半年!とか、何度も引き止められて辞めれなかったのだ。
そんなこともあり、こんな嵐を通り過ぎたあと、半年くらいフリーみたいなことしてたんだけど、やっぱみんなでワイワイいいながら仕事するのが合ってると自分で再認識したので、会社作っちゃえ!と起業した。
弊社の定款は、このときから変わらず、マーケティングのコンサルティングといちばんはじめに書いてあるくらい、マーケティングの仕事を取りに営業していたのだが、当時リーマン後の余波もあったのか、全く箸にも棒にもかからなった。
そんな中、かかってくるのは、当時流行ってた「レベニューシェア」の問合せ。
つまり、ECとかの成果報酬型の案件の相談だ。
当時は、なんでかは知らないけど、化粧品関連の通販会社から何件も相談が来ていた。
話を聞きに、打合せに行くと、どれもクソみたいな内容ばかりだった。
ECやサイト制作には金がかかるから、売れるようになったら、成果報酬として支払いたいという。
よく聞いてみると、要は、インターネットで販売するための施策はやりたいが、金出したくない、それに販売のリスクはお前がもて、ということだ。
いやいや、売れるかどうか分かんないような商品を成果報酬で受けれるわけがない。
売れてる商品を倍、三倍、と伸ばすのであれば、こういう協力はできるかもしれないが、売れない商品に投資するほどバカじゃないので、全部断った。
というか、こりゃ、完全にナメられとるな、と。
何も、いままでやってきたマーケティングのノウハウをこんなアホどもに、提供する必要があるのか?と考えたのだ。
オレとあいつらの違いは商品の有り無しだけだから、だったら、自分で商品調達して、売っちまえばいいじゃないか、と。
で、いま運用しているECの企画が始まって、集客できたから、全部システム化していった。
受注があれば、中国や韓国に発注されて、納品されるという、無在庫システムを構築したのだ。
その中で、自前の広告費を使って、メチャクチャ失敗しながら、インターネットのマーケティングをやってきた。
その数年間、そのノウハウは門外不出でやってきたのだ。
ここまでやれたのは、あの私をナメた連中がいたからだ。
で、数年経って、そこら辺のコンサルがやったことないような、いろんなノウハウはが溜まったので、また広告やマーケティングの仕事再開した。
いろいろ相談に乗っていると、まだいるのだ、何もないのに、成果報酬でいかがですか、と言うアホが!
あれ、おかしいな、ナメられとるのかな?と、思い、いろいろ聞くのだが、一般的な敬意は感じるので、ナメてはいないようだ。
さらに聞いていくと、ああ、なんだ、商売の一般常識がないんだね!ということが判明したのだ。
この人は、お金がないから、成果報酬でお願いして、成果が出てお金ができたらお支払いします、というのが、世の中でまかり通ると思っているのだ。
この方が持っている商品は競合もあるし間接競合も多い、強みを出しにくい商品で、売るのに苦労されて相談しに来てる。
なのに、いっぱしに交渉してくるから、何言ってんだこいつアホかと私は思うわけだ。
しかも、顧客リストもない。
マーケティングさえやれば、いま、たいして売れてもいない商品が、ガンガン売れるものだと信じて疑わないのだ。
いやいや、私のマーケティングコンサルのまえに、あなたやることあるでしょう!
まずは、ちゃんと頑張って売上作ってこいよ!
100年早いんだよ、成果報酬だなんて、提案してくるのは。
じゃあ、あなたの商品を買ったお客様の悩みを解消できるまで、あなたは支払いを待つことができますか?と、質問したら、アワアワしはじめた。
例えば、化粧品だったら、お客様が綺麗になるまで、お支払いいただかないということですよね。
飲食店だったら、美味しい食事と楽しい時間を過ごせなかったら、お支払いいただかないということだし、
工務店だったら、期待通りの家族との団欒が生まれるまで、お支払いいただかないということですよね、
それって、その間一生懸命商品やサービスを提供している人は、報酬が発生しないわけですよね?
つまり、オレが満足するまで、無料で奉仕しろ、満足したら払ってやる、と言ってることと変わりないのお分かりになりますか?
そのようなお客様は、根本的な仕事の考え方が私と異なるので、ご一緒させていただいたとしても、絶対満足されないはずですから、お受けできません、
と、説明し、お断りした。
上っ面で理解したつもりできても、話せばどれだけペラペラかは、一発で分かる。
意味も理解せず、成果報酬だなんて、簡単に口にしたら、こうやって返り討ちして息の根を止めてやるのだ。
一体、私に何を期待してるのだろうか?
この方が死ぬ気で頑張らなければ、私は何一つ役に立てない。
にもかかわらず、私にコンサルを依頼することで、楽して儲けられるんじゃないだろうか、という魂胆がもうアウト。
コンサルって、自分でできるようにするために教えるものだ。
楽したいなら、その分の役務を外注するしかないわけで、そりゃ、それなりの金額になってくる。
これが払えないのであれば、自分でできるようになるしかない。
つまり、できなかったことをできるようになるように、スキルアップしていく必要があるのだ。
一定のマーケティングシステムを入れるには、すべてコスト換算すると、最低でも300万くらいからの初期コストがかかる。
一瞬高いように感じるかもしれないが、これを人件費と対比して考えて欲しいのだ。
顧客とのコミュニケーションをしたり、集客して受注するような営業部の人件費と是非比較してほしい。
年間300万円でどのレベルの営業マンが雇用できるというのか、推して知るべしだ。
マーケティングは、一度作って成果があった広告クリエイティブは、その後は広告費しかかからない。
そう考えたら、優秀かつコストがかからない営業マンが社内にいるのと変わらなくなるわけで、激安の投資である。
ただ、効果が不明なやったこともないことに、300万が高額に感じるのは理解できる。
だから、社長ご自身でやるもの、社内でやるもの、外注すべきもの、に分けて、直接かかるマーケティングコストを下げていくのだ。
とくにコアの部分は、必ず社長ご自身でやっていただくようにするし、社内スタッフでできるようなものは社内体制を組めばいい。
外に振ったほうが効率いいものは、外注する。
サイトも作れるし、デザインもできる社員がいれば、サイト制作に関わる部分は、固定費の人件費として計上されてるので、このマーケティング費は下がってくる。
こういうマーケティングチームを作り上げるのも、コンサルの仕事だが、成果を出すためにはクライアントの熱意が左右する。
熱意があれば、いまの社内のリソースが利用できるわけだから、全体の費用がグンと下がるし、効果もでやすい。
一方、楽して儲けようと、依頼したら、勝手にコストが上がっていくのは仕方ない。
私としては、はい、これ50万かかります、はいこれ100万かかります、と、提案するしかないのだから。
だって、なにもしないんだから、当たり前でしょ。
それを高い!とか、楽したい!と言うのであれば、マーケティングなんて、やらなきゃいいのだ。