ライザップの「30日間返金保証」は、素人がやると即死亡確定。 | アナーキーマーケティング

ライザップの「30日間返金保証」は、素人がやると即死亡確定。

マーケティング戦略

デッデッ、デッデッ、てって〜〜〜〜〜〜〜〜♪

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と、2ヶ月で結果を出すというマーケティングメッセージで一躍有名になった、ライザップ。

「30日間返金保証」を掲げてたプロモーションもインパクトがあったが、景表法違反の可能性があるとして、「ひょうご消費者んネット」というNPOから、取り消しを申し入れされた。

ライザップ広告 誤解招く?「30日間全額返金保証」…消費者団体が削除要請

この「ひょうご消費者んネット」というNPOだが、ちょっと調べてみたが、なんだかよくわからないし、なんだがサイトも気持ち悪い。笑

こういう暇な輩が足引っ張ってくるくらい、この「返金保証」っていうのは、パワフルなマーケティング手法だ。

儲かったり、有名になると、こういう輩が出てくんのね。

この通販などでよく見る「返金制度」だが、マーケティングの専門用語では、「リスクリバーサル」と呼ばれている。

そして、理論上では、返品返金以上に売上が上がるので、圧倒的に利益がでるマーケティングの概念とされている。

だから、返品返金はつけない意味はどこにもないのだ、と。

アメリカ人の世界的に有名なマーケッター、ジェイ・エイブラハムがそう言ってるし、それなら間違いないと、これを実際にやった奇特な人がいる。

 

 

結果を知りたい?

、、、、、

 

 

 

 

クッソ大赤字!!!

返品返金クレーム処理で、潰れんじゃないかと思った!

めちゃくちゃ、嘘つきじゃん!

なんだ、あのジジイ! ◯ァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ック!!!

偉そうに、のうのうと嘘つきやがって!!

腹立つ!!!

と、壁を蹴りあげていたそうです。

 

 

 

、、、、

はい、何を隠そう、それ私です。笑

 

リスクリバーサルみたいな強力なマーケティング手法は、前提条件を間違えると、とんでもない目を見る、とわかったのは、この事件のあと。

リスクリバーサルをやっている商品を分析してみた。

リスクリバーサルを付けやすい商品

  • 単価数千円〜2・3万円の商品
  • BtoC商材
  • 利益率が9割以上ありそうな商品
  • 在庫を持たない商品
  • 体験商品
  • 材料がないもの

絶対やっちゃいけない商品

  • 受注生産
  • BtoB商材
  • 取引額が数十万以上の商品
  • 納期がある商品
  • 材料を加工するもの
  • 製品個体差がでてくるもの

 

 

説明しよう。

私がやらかしたのは、受注生産品。

つまり、オリジナルの仕様で納品するものだ。

このような商品は、目の前にある商品をそのまま買うのではないので、クライアントのイメージとサプライヤーのイメージが異なることがある。

というよりも、同じなわけがない。

目の前にサンプルがあって、共通認識して、量産に進んでも、納品後に微妙な違いはでてくるものだ。

それに、こういう商流はBtoBがほとんど。

BtoBの場合、納品したものが違ったりした場合、まさに事故だ。

そんな時は、なんとかして期待通りのものをきちんと納品するのが、筋というものだ。

なのに、偉そうに、「ご満足いただけなかった場合、返金保証しています!」とのたまわっても、なんら意味がない。

こんな場合、クライアントがリスクリバーサルして欲しいのは、時間と金と機会損失だ。

クライアントの得るべきだった、売上を保証できるか?

ほとんどの企業はそんなことできやしない。

仕入先から完全に仕入れた上で、クライアントの売上を保証するわけだ。

このリスクリバーサルは、一体なんの罰ゲームだ? 潰れちまうよ。

クライアントも全然嬉しくないでしょ。

こんなことしても、誰も得しないし喜ばないし、金で解決しても、正直関係悪くなるだけだ。

まあ、仕事にはミスは必ずどこかで起こる。

こういう不確定要素のリスクコントロールできてないものをリスクリバーサルしてはならないのだ。

 

では、どのようなものがリスクリバーサルに向いてるのか?

リスクコントロールが効く商品だ。

在庫をもった健康器具にリスクリバーサルを付けて通販で販売したとしよう。

ガンガン売って売りまくって、いくつか戻ってきても、きちんと検品して袋や箱を入れ替えてアッセンブリーしなおせば、新品として販売できる。

そして、ライザップのような、人的サービスも同様。

提供した30日間は戻ってこないが、それ以上のダメージもない。

材料も在庫もないだけでなく、人件費を考えても、カバーできる利益率の商品のはずだ。

にも関わらず、入会して、キャンセルの期間を30日って設けたら、数十万の会員費を払う際に、迷いが生じた時に、このリスクリバーサルはきちんと客の背中を押してくれる。

 

いかがだろうか?

偉いマーケッターの言葉尻で振り回されても、何もいいことがないのだ。

だって、「概念」とか「理論」なんだから。

全ては実践した人間の言葉に耳を傾ければいい。

失敗の連続の中に、本質はあるんだから。