最大の問題は、東京オリンピックのロゴから、何も感じないことである。 – アナーキーマーケティング

最大の問題は、東京オリンピックのロゴから、何も感じないことである。

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FROM実業マーケティングコンサルタント加藤元康

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2020年の東京五輪・パラリンピックのエンブレムがベルギーの劇場のロゴと類似していると指摘されている問題で、エンブレム制作者の佐野研二郎氏が5日午前、都内で会見し、「そもそも見てないので模倣ではない。全くの事実無根」と盗用を否定した。
佐野氏は「誓って言うが、アートディレクターとしてこれまでの知識や経験を集大成して仕上げた作品。ブラッシュアップを繰り返して世界に類のないエンブレムができたと確信した」と自負を見せた。

出展 http://blogos.com/article/126551/

これは、東京オリンピックという、世界的イベントのロゴの話である。

歴史にも残る、貴重なロゴだ。

それをリサーチしないで、提案したのは、佐野氏である。

見てないとか見てるとかどうでもいいのだ。

パクリでもなんでもいいのだ。

結果、似てるものがあったということが、問題なのだ。

そもそも、ロゴというのは、物事を抽象化した象徴をロゴにするわけで、抽象化していく以上、どうしても形状は似てしまう。

そんなことは、デザイナーであるのであれば知っているはずであるし、ここにリスクがあるのも理解しているはずだ。

なのに、似ているものがあった。

そこら辺のイベントのロゴを作るように、ペロッと作って提案した、と思われても仕方ないだろう。

本来、入念にすべき、リサーチがされてないのだから。

フィーにしたって、5〜10万円ならまだしも、数万円もらってるのであれば、リサーチ代が入ってしかるべきである。

それをちゃんとやらなかったという佐野氏側に責任があるのだ。

そういう意味では、アートディレクターの仕事が、意匠管理まで及ぶ時代になってきたと言えるのかもしれないが。

とはいえ、ロゴなんか似てしまうわけで、似たことは、仕方ない、としよう。

むしろ、形状が似ている、似ていないの話を飛び越えないことが、佐野氏のデザイナーとしての能力が懐疑的になってくるのだ。

1964年の東京オリンピックのロゴをみていただきたい。

デザインの巨匠、亀倉雄策氏のロゴだ。

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あなたの主観で見ていただきたい。

朱色の日の丸、ゴールドの五輪と下に配置された、1964 TOKYOの力強いロゴ。

誰もが、説明なしに、日本の、東京の、オリンピックそのものを象徴していると感じるはずだ。

高度成長期に、やっと勝ち取った東京でのオリンピック。

戦後、苦渋をのんで、這い上がってきた日本国民たっての願いだ。

そして、日本を東京を世界に認めさせた歴史的イベント。

それに込められた熱いエネルギー。

そんな時代背景や、息遣いまでも、このロゴだけで伝わってくるだろう。

実にかっこいい。

ポスターなんか、今でも、素人目に見ても、かっこいいデザインである。

この時代に私は生まれていないし、東京オリンピックなんて、聞伝えの話だから、結構客観的な意見のはずだ。

このロゴに、バングラディシュの国旗をパクった、などと難癖をつけるバングラディシュ人が出てくるわけがない。

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有無を言わせない、すごい説得力のある、亀倉雄策氏の東京オリンピックのロゴである。

時代は、2015年現在に戻ろう。

2020年オリンピックは問題山積み。

メインスタジアムの問題。

選手の食材の問題。

正直、誰が望んでるのだろうかと、思うくらい期待されていない、2020年東京オリンピック。

日本国民が期待していない。

そんな背景の中、このロゴ。

このロゴみて、何を感じるだろうか?

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そう、何も感じないのだ!

何かの想いも、期待も、何も感じないのだ。

何の説得性のカケラもないのだ。

タダのロゴ。

印象に一切残らない。

そりゃ、ベルギーの片田舎の劇場のロゴに似ちゃうだろうよ。

クラウドワークスとかランサーズで5万程度で発注したレベルと何ら変わらないと思うのだ。

佐野 研二郎(さの けんじろう、1972年 – )は、東京都出身のグラフィックデザイナー、アートディレクター、クリエイティブディレクター。

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、博報堂入社。その後博報堂/HAKUHODO DESIGN経て、2008年1月11日MR_DESIGN設立。
2004年ニューヨークADC2004国際審査員。
2005年TIMES ASIA ADVERTISING FESTIVAL(台湾)国際審査員。
2009年ニューヨークフェスティバル 国際審査員。
2014年、川村元気との共著の絵本『ティニー ふうせんいぬのものがたり』が、NHKにて『ふうせんいぬティニー』としてテレビシリーズアニメ化される。
同年、フジテレビ『武器はテレビ。SMAP×FNS 27時間テレビ』のポスターを手掛ける。
東京アートディレクターズクラブ (東京ADC)・日本グラフィックデザイナー協会 (JAGDA) 会員である。
2015年7月には自身の作品が応募104点の中から、2020年夏季オリンピック東京大会の公式エンブレムに選出された。正方形が9分割された組合せの幾何学的な構成になっている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E9%87%8E%E7%A0%94%E4%BA%8C%E9%83%8E

佐野氏は立派なキャリアをお持ちのアートディレクターであるのは間違いないが、それを考えるほどに、とてもじゃないが真剣にやったとは思えないのだ。

発表された当初、よく通ったなという印象を覚えた記憶がある。

なにより、作り手の気持ちが見えないし、現れてない。

このロゴ一発で、何を伝えたいんだろうかというのが見えないのだ。

いや、ここまで期待感のない東京オリンピックの時代背景がそのままロゴになってるわけだから、考えつくされて作られた、ちゃんと伝わるロゴなのかもしれんが。

デザインのカッコイイとか、かっこ悪いという評価は、その作品から出てくる作者の想いと、受け手の共感である。

亀倉雄策氏の東京オリンピックのロゴのように、想いが強くて、強く共感すれば、全員黙る。

クリエイターの作品とは、時代背景、クリエイターの技術含めて、アウトプットされるべきなのだ。

これが、集大成の作品であるとしたら、クリエイターの才能に疑問を感じざるを得ない。

こういう歴史に残る仕事は、サラリーマンみたいな商業デザイナーじゃなく、ぶっ飛んだアーティストデザイナーにやらせるべきである。

私のような、セールスのためにコピーを書くコピーライターなんか、超商業クリエイターだ。

アーティスティックな要素がないかのように感じられるだろうが、プロモーションで扱う商品への想いがなければ、全く売れないのだ。

過去にとんでもないコンバージョンがあったコピーになぞらえて、新しいコピーを書いたとしても、

詩人が書いたような美しいコピーを書いたとしても、誰も買ってくれないコピーになってしまうのだ。

人が買いたい、と思う気持ちは、1964年も、2015年も、2020年の未来も一緒である。

クリエイターの端くれとして、どんな技術やテクニックにも溺れず、人に寄り添い、人の気持ちを動かすコピーをいつまでも書き続けたいと、改めて強く思い直した次第である。

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