社長は、例外なく、みんな自分の商品大好き。
そりゃそうだ。
その商品を扱うのにどんな苦労があったか!
それに、一晩中話しても、つきないくらいの想いがあるだろう。
しかも、その商品が売れる、売れないで、寝れない日々を送ったりもしてるのだ。
それは私も同じ。
でも、ここには、知らない間にハマってしまう、強烈な落とし穴があるのだ。
商品に恋せず、顧客に恋をせよ。
これは、マーケティングの魔術師と呼ばれるアメリカのマーケッター、ジェイ・エイブラハムの言葉だ。
一見、すごく耳障りが良い言葉。
だが、裏を返せば、顧客が欲しがる商品扱ってないなら、そんなのやめて、顧客が喜ぶものを売りなさい、じゃないと売上をあげようもないでしょ?という、
私たちにしてみれば、ものすごいエグいことを言っている。
それに、あなたにとって、誰が本当の顧客なんだ?という相当シビアなことを突きつけてくる。
あのお客さんもこのお客さんも、み〜んな大好き!なんて、次々に手を出して浮気もダメだ。
自分が恋したい相手は誰なんだと、自分のタイプをはっきりさせて、あなたが愛すべき顧客と商売しなさい、ということでもある。
あなたの理想の女性のタイプをあげてください、なんて言われても、男なんか目の前の綺麗な女性を片っ端から手をだしたくなるだろう。笑
つまり、自分の究極の女性のタイプだなんて、はっきり言えないのだ。
だが、人間には自尊心があるから、自分みたいな人は基本的に好きだ。
あなたの身の回りの友人なんて、あなたと思想が似てたり、思考が似てなりしてないだろうか?
これが違っちゃったら、仲良くなれないのは想像に難くない。
友達のために、自分の時間を割いたりしたとしても、あなたは文句すら言わないだろう。
恋人や奥さんにのために、何かしてあげたりするのに厭わないのも同じ。
むしろ、自分以上に気遣ったりするわけだ。
つまり、顧客に恋するくらいになるためには、あなたも含め、あなたの身の回りの大切な人たちがターゲットになるような、自社の商品サービスであるべきなのだ。
そうすると、あなたはあなたや周りの人たちにマーケティングリサーチすればいいし、キライな顧客を抱え込むリスクも減る。
それどころか、あなたは自分のやっている事業を楽しむことができるようになるし、誇りをもって続けていくことができる。
実は、そうやって、マーケティングの本質に忠実に、事業展開するほうが、めちゃくちゃ早いし、なによりも、長く続く。
だから、自分の商品に恋しちゃいけないよ、と、ベタなコンサルタントのブログのようなオチを付けたいところだか、実は、もう一つ落とし穴があるのだ。
それは、儲かる、ということに執着すると、愛せない顧客と付き合うことになる、ってことだ。
女性が全然タイプでない男性なんだけど、金を持ってるから付き合うというのに似ている。
その顛末は想像できるだろう。
結婚まで行ってセレブな生活を手に入れても、不満だらけの人生だ。
しかし、事業を興す時についついやってしまうのが、この、儲かる、という切り口である。
自分がマーケットにもない事業でも、マーケットとタイミングを読む力さえあれば儲けることができる。
いや、セールスだけで売上をあげられるから、短期的には回せるのだ。
実は、私もこの落とし穴にハマったことがあるし、いまなお苦しんでいたりする。
今も続けている事業なのだが、オタク層のなかでも作家やクリエイターをターゲットとしたECサイトを運営している。
それなりに売り上げてもらってるのだが、もっと集客をしたいし、売上も上げたい。
もちろん、そこまで行くのにめちゃくちゃリサーチしたから当たったと分析はしているものの、どうしても確信に迫れないのだ。
なにをどうすれば集客できるかということは、そこらへんのマーケティングやってる人の何十倍も分かってるから、方法はいくらでもでてくる。
でも、それはマーケティング戦略とか戦術とか、クロスメディアといった、言ってしまえばメディアの形をした箱にすぎないのだ。
その中身である、コンテンツが作れないかぎり、こんな戦略戦術は形骸化してしまう。
要は、私はオタクではないし、オタクのソレの何がいいか正直分からないから、彼らの喜ぶツボが分からないのだ。
メルマガですら書けない。
いや、書けるんだけど、たぶん、クソつまんないのだ。
彼らにとって何が面白くて、何がつまらないのかすらも、分からないから、判断できないのだ。
だって、そのECの顧客層に自分は居ないし、私の友人も居ない。
だから、彼らが何を考えて、何に価値を置いて、どんな生活をしているか、自分の想像を出ないから雲を掴むような感じでコピーライティングせざるを得ない。
そんな中で、おもいっきりバズらせても、コンバージョンまで落とし込めなかったりする。
普通だったら、爆発的コンバージョンを手に入れられるはずなのに、だ。
データはあるし、傾向もわかってるが、そんなもの分かったとして、うまく話題にできても、
顧客の心をつかめなのであれば、ただの小手先だけのマーケティングになってしまうわけでである。
そう、私は知らないうちに、愛せない顧客を何千人と集めてしまったのだ。
儲かるというだけでなく、ビジネスのターゲットに自分もいないと、こうやって継続性に問題がでてくるのだ。
オタクマーケットにとっても、私がオタク商品を扱う意味が分からないのだから、説得性のカケラもない。
彼らが私に向かって、動機は金だろう、と言われれば、それ以上答えられないのだ。
このビジネス自体、全部マーケティングだけで作り上げたビジネスモデルなのである。
時代の流れを読み、自分が提供できる商品やサービスのポジショニングを変えて、ニッチ市場に参入したのだ。
参入当初は、何処にもない、実に新しいコンセプトで、一気に受注を得ることができた。
ここまでキレイに教科書をなぞったビジネスなんかそんなにないんじゃないか、と思うくらいに。
おかげで、一年も経たずに一気に売り上げたが、一定で成長鈍化。つまり、そういうのは続かない。
そもそも、マーケティングというのは、顧客とのコミュニケーションでもあるのだ。
このコミュニケーションというのは、相手と似た価値観でないと続かないのだ。
友達になれるくらいの顧客像を顧客にしていかないと、どこかで無理が生じる。
私の価値観で、顧客を愛そうとして、メッセージを送っても、Twitterでdisられたりするザマである。笑
まあ、メッセージが強ければそういうのもあるのは百も承知であるが、私が愛したきた属性からの遠さは感じられずにいられないのだ。
私は、この数千の顧客リストに次にどんな提案をしていかすらも、いまだに思いつかないのだ。
だから、ここでの失敗を元に、私や私の友人たちに近いマーケットを選んだのだ。
先の事業だけでなく、マーケティングというものを扱ってきた実体験をそのまま商品化しちゃおうと。
だって、メーカーとかの体で、いろんなマーケティング会社に会ってプレゼンしてもらうと、もうフラストレーションしか感じなかったから。
お前の商品売りたいだけで、私のことを何も考えてくれてないよね、なんていう業者しかいない。
使えそうなものを買っても、成果がでないことしかなかったし、リスティング広告で100万単位で垂れ流しにしてしまったこともある。
失敗しても、失敗と受け止めず、チャレンジすることをやめずにいるだけであるが、見回したら、自腹でそこまでやってる経営者も企業も本当に少ないのだ。
それに気づけたのは、周りの経営者の先輩方や友人が、私を面白がってくれたからである。
加藤さん、面白いね!
なにそれ!もっと教えてよ!
私が面白いのは、最初から分かってるのだが(笑)、マネタイズできるくらい面白いかどうかは分からなかった。
やってみなければ分からないけど、集客はできる自信はあったから、とりあえずやってみた、というのが、アナーキーマーケティングの始まりだ。笑
そうやって、私は似た価値観の経営者をクライアントにするために、マーケティングコンサルタントとして活動しているのだ。
だから、言いたい放題。これでもかなり控えているんだけど、、、笑
先にも述べたように、自分に近い人を顧客にするべきだから、ここでは、あなたが私に共感するかどうかの判断材料を提供しているに過ぎない。
私が個人的に思うことだが、自分の信念があって、それをちゃんと伝えられない男はモテない。
私はビジネスでもモテたいので、ちゃんと伝えることにしただけだ。
だから、こうやって、失敗した話だって、いくらでもする。
そういう難しいこと、わかーんなーい、と最初から考えることをあきらめている、股の緩いお嬢ちゃんみたいな経営者や、
物事を斜に構えて本質を見ずにスカしてるカッコだけの口ばっかり君みたいな経営者は、最初から願い下げである。
(時々いるんだ、こういう経営者! 塩まいてやる!笑)
そのかわり、本当にコミットできるのであれば、私のケツの穴まで見せてもいいと思ってる。
だから、他のコンサルやマーケッターのブログなんかつまんねぇよ!って、アナーキーマーケティングをチェックしてくれるのは実に嬉しいのだ。
私の考えや概念が、どこまで伝わってるのかわからないが、もしちゃんと伝わっているとしたら、本当に同志だと思う。
特に、メルマガに登録していただいてる方には、より期待していただいていると思っているので、
まだちゃんとしたご提案ができていないのだけれど、近いうちにきちんとご提案をしていけるようにしていくつもりだ。
私はどんなに条件が良くても、嫌な客とは仕事をしたくない。
時に、間違って受けてしまうこともあるだろうけど、お互いに不幸になるだけだ。
欲を言えば、私のタイプの顧客に私の商品を買ってもらいたいし、その中から本当に私を愛してくれる顧客と最高の仕事をしていきたいと思っているのだ。
そういう顧客と一人でも多く付き合って行きたいのだ。
だって、そうやって、顧客に恋していたいじゃないか。
ビジネスだって、いくらでもロマンチックにやれるんだから。