先日、あるアパレルの販売員の方と先日お話をさせていただいた。
その方の務めている店は、インポートの高級セレクトショップで、
都内の某高級住宅街の駅の近くで30年やっているという。
場所を聞いたのだが、結構集客しにそうな立地だったので、私はこんな質問した。
「店で接客するのはわかるんだけど、お店の集客ってどうやってしてるの?」
すると、こんな答えが帰ってきた。
「新規のお客さんは待つしか無いので、これはどうしょうもないかな。
ただ、買ってくれたお客さんには、月1回はDMを出すと昔から会社で決められてるんだけど、これが結構大変。
以前はプリントしたハガキに宛名・住所を手書きにしてだしてたんだけど、
最近は、全部手書きにするように会社からいわれてるから、
以前買ったものや、来店時に会話した内容を踏まえて、お客さん一人ひとりに、手紙を書くんです。
手にペンだこができちゃうんですよ、ほら。」
と、彼女は私に指に出来たタコを見せてくれた。
ちなみに私は生まれてこの方、ペンだこになったことはないので、
どのくらいの量を書いているのか全然想像つかないのだが、
やはり、毎日毎日、空き時間を見つけては、数十枚書いているという。
それで、DMをみたお客さんはかなり再来店してくれてるので、成り立っているんだと言っていた。
それを聞いて、私は、そりゃ30年もやれるわけだ、と、言ってしまった。
実は、ここに、マーケティングのとても重要な考え方が隠されている。
反応率をあげる本質的な方法って、実はこうやって、顧客ひとりひとりに向けて、それぞれのメッセージを届けることなのだ。
顧客ひとりひとりはそれぞれの感情や個性があるわけで、本来であればそれぞれへの対応は全部異なるはずなのだ。
だから、お客様ひとりひとりに向けて、メッセージを送る以上に、パワフルな方法は存在しないし、
これ以上、リピート率をあげる方法も存在しない。
なのに、一斉に数千、数万のダイレクトメールやメルマガを一斉に送ってしまっていないだろうか?
もちろん、見込み客の集客など、顧客属性しかわからないようなものは、一斉に送って、その反応をみて、顧客にしていくしかないのだが、
買ってくれた顧客にも、同様に一斉にメッセージを送ってしまう。
買ってくれた顧客は、あなたにとって特別な存在なんだから、特別扱いしなくちゃいけない。
そう考えると、「手書きのお手紙」というのは、特別扱い感がめちゃくちゃ出る最強のリピート率アップのツールなのだ。
(もちろん、一人ひとりに電話する「テレマーケティング」が最もパワフルなのは言うまでもない)
しかしながら、そうは分かっていても、ひとりひとりにメッセージを送るなんて、ものすごい手間だ。
ひょっとしたら、あなたの会社のリソースが許さないかもしれない。
であれば、あなたの顧客リストをもう少し細分化してみよう。
1000人顧客がいて、1000種類のメッセージ書くより、
例えば、顧客を5カテゴリに分けて、それぞれにメッセージを作ると、5種類のメッセージでOKだ。
しかも、この手間をちょっとかけるだけで、リピート率がグッと上がる。
例えば、こんな感じで考えてみよう。
・商品ごとに分ける
購買履歴からなんの商品を買ったかで顧客を分けることで、次オススメできる商品やサービスが同一になるので管理もしやすい。
・購買時期に分ける
例えば3ヶ月以内に買った顧客、3〜6ヶ月以内に買った顧客、1年買っていない休眠客などにわけて管理。
これも期間という切り口で切っているので、それぞれが同一メッセージになるのが分かっていただけると思う。
・顧客の背景で分ける
たとえば、住んでる地域で分ける、家族構成で分ける、誕生日で分けるなど、
顧客の詳細データから自分のビジネスに反映しやすい切り口で分けていく。
切り口によってメッセージが変わっていくのもわかると思う。
こんな風に1つの切り口につき、3〜5つくらいの段階で分けられるはずだ。
そうすると、あなたのメッセーを受け取った顧客も、「あ、私の事だ!」思いやすくなるし、
段階に応じて定型メッセージを考えておけばいいのだ。
一人ひとりに出すより全然やれるんじゃないだろうか?
これを「顧客リストのバージョニング」という。
当たり前ではあるが、バージョニングを細かくするほどに、反応率はどんどん上がっていくが、
まずは3〜5個程度にバージョニングしてみよう。
開封率が悪いと頭を抱えているのであれば、マーケティングテクニックだの、WEBだのインターネットだのと、目先のことに振り回されるよりも、顧客リストバージョニングをおすすめしたい。
冒頭のアパレルショップのように、一人ひとりに向けて、それぞれのメッセージを送ることが一番反応してもらえる可能性が高いからだ。
それが手紙でも、電話でも、なんでもいい。
お客様ひとりひとりにの顔を思い浮かべて、メッセージを送ってみよう。
挨拶だけじゃなく、もちろん、そのお客さんが喜んでくれるイカしたオファーをメッセージに入れて。
本当に一瞬にして売り上げるから。
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