アイアンメイデンというヘビーメタルバンドを知っているだろうか?
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世界でも屈指のロック界の重鎮である。
1970年台後半から活動し、80年初頭にイギリスで起こったニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘビーメタルという新しいロックの潮流を牽引し、今なお活動を続けている御大である。
こういうロックに疎い方でも、ヘビーメタルと聞いたら、屈強なボーカルがハイトーンで歌い上げ、エレキギターが高速でピロピロとハーモニーを奏でる、そんなサウンドをイメージするのではないだろうか?
じつはこのヘビーメタルのサウンドは彼らが源流といっても過言ではないかもしれない。
そういう世界のロック、いや音楽史に名前を刻むレベルのバンドである。
だから、ツアーの移動も別格だ。
「エドフォースワン」と名付けられた、バンドの自家用ジェット機があり、彼らはこのジェット機で世界中をツアーするのだ。
そして、アイアンメイデンのボーカルのブルース・ディッキンソンは、このエドフォースワンのパイロットである。
日本じゃ考えられないくらいのスケール。
まさに世界的なスターなのだ。
そんな彼らは、先の4月の終わりにジャパン・ツアーでエドフォースワンで来日した。
今回のコンサートは、発売後すぐに売り切れるくらい待ち望まれ期待されていたのだ。
なぜなら、前回の来日の時が、311の直後でキャンセルせざるを得ない状態だったからである。
そこから約8年後の来日だったのだ。
しかし、今回も熊本の震災の直後。
なかなか、毎回すごいタイミングで来日するバンドである。
この惨状を知っているバンド側も熊本にお見舞いを伝えたかったのだろうか、普段出演を断っているキー局のテレビに出るという話になっていたようである。
そんなこともあり、レコード会社は、張り切って各メディアに出演依頼したが、、、
「残念だったのは、地上波テレビ番組の出演が決まらなかったこと」と日本の音楽関係者。
「レコード会社が今回の公演には力を入れていて、担当者が情報番組などに出演をプッシュしていたんですよ。いつもはそんな番組出演はメンバー自身が引き受けないんですが、今回は地震の惨状も知ってか『出るよ』と言ってくれていたので、とても貴重な機会だったんです」(同)
しかし、当の局側の反応は鈍く、世界的に有名なへヴィメタルバンドでも、番組の担当者がまったく知らなかったり、名前を知っていても「日本でそんなに人気があるんですかねえ」と、来日の価値すら把握していないことが多かったという。
「ある昼のワイドショーでは、ディレクターが『出るとなれば彼らの音楽をBGMで流さなきゃいけないけど、日中からヘビメタやったら苦情がきちゃうんじゃないかなあ』なんて言っていたんですよ。いまだにそんな偏見しかないなんて、悲しかった」(前出音楽関係者)
メタル色の強いアイドルグループ・BABYMETALが日本より海外で受けているとおり、へヴィメタルに対する国内の理解度の低さでアイアン・メイデンの番組出演がかなわなかったのは、非常にもったいない話だった。
「朝番組のゲストなんて、日本人でも知らない無名の芸人やアイドルが出ているのに。ある番組プロデューサーなんて『被災者が多くいる時期に、ヘビメタバンドのメンバーが“地獄に連れて行ってやるぜ”なんて言ったら問題になる』なんて言っていて、ガッカリ。メイデンのメンバーはそんなこと言わないのに……」
結局、この世界的なヘビーメタルバンドは日本のキー局では一切扱われなかった。
これが日本の海外一流アーティストの扱いである。
それだけではない。
去る1月10日に世界的なロックスターであるデヴィット・ボウイが死去した。
4月21日にも、世界的なミュージシャン、プリンスが死去。
音楽史に多大なる影響を与えたアーティストたちの突然の訃報に、世界中のメディアは何日も渡って取り上げていた。
あなたも海外のWebメディアでかなり目にしたのではないだろうか?
この世界に衝撃をもたらしたニュースを日本のキー局は、果たして放送してただろうか?
放送していても、かなり小さい扱いだったのではないだろうか。
それもそのはず。
日本人で興味がある人達はごく少数だ。
世界中ですごく評価の高い音楽が日本では全くメジャーではないのだ。
ここ何十年もの間、アイドルやジャニーズ、歌謡曲がメジャーで、世界的な人気の洋楽はマイナー扱い。
世界的に見ても、特殊な市場なのだ。
日本は、音楽でさえももガラパコスなのだ。
海外で評価されている音楽が、日本ではほとんど評価されずにいる。
いや、ほとんど知られていない、と言ったほうがいいのかもしれない。
これだけ情報が溢れているのにもかかわらず、だ。
これだけ世界的な評価がある最高の商品なのに、知られていないし売れていないのである。
そもそも、最高の商品であったとしても、誰かが市場に認知させていかないと、誰も聞かない。
知らないんだから、検索しようも、買いようがないのだ。
だからレコード会社は、プロモーションするのだ。
それが、彼らの仕事だが、上記のとおりでかなり苦戦している。
売れないから予算も付かないわけで、PRを利用するしか無いのだろう。
雑誌やテレビといったマス媒体に取り扱ってもらおうと依頼しにいくわけである。
特に、まだまだテレビの影響力はまだまだ大きいので、テレビ依存せざるを得ない。
しかし、テレビ側は、知られていない一流の海外のアーティストを出演させるより、EXILEやジャニーズやAKBやお笑い芸人を出演させたほうが、視聴率を取れるから断るわけである。
こうやって、市場は、つまり、みなさんは、全部広告やメディアに情報を操作され、世界的に素晴らしいと評価されている音楽に触れる機会がほとんどなくなって、音楽ガラパコス日本で育ってきたのである。
完全にメディアにやられっぱなしなので、CMやテレビで出てくるような外タレしか知らないのではないか?
例えば、最近なら、資生堂のCMに出たレディガガや、サマンサタバサのCMに出ているミランダ・カーは知っていても、海外で人気の女性アーティストやモデルの名前を10人ですら挙げられないのではないだろうか?
で、企業の都合のいい状態の選択肢だけを与えられ、それだけを選ぶように仕込まれたストーリー通りにモノを買うのだ。
だって、ミランダ・カーが使ってる◯◯とか、すぐ飛びついちゃう人かなりいるわけだから。笑
私からみたら、ギャグみたいな話だけどね。
でも、こうやって、あなたの感性は、こういう企業たちの餌食にされてしまってるのだ。
御存知の通り、テレビは広告費で作られている。
クライアントはCMを打って、それこそ、商品を知ってもらうのが目的である。
そのために、多額の広告費を払って、テレビ番組を作ってもらい、その間にCMを出稿させる。
テレビで人気者のタレントをCMで使ったほうが、タレントの◯◯が出ているCMね!と、知ってもらうきっかけを作りやすわけで、なるべく番組で人気のタレントを採用していきたいのだ。
つまり、視聴率の高い番組を作ってもらい、その時代の人気者のタレントを作り上げ、彼らが出演するCMを作ったほうが広告費の費用対効果が高いということである。
だから、視聴率の高い番組を作るためにテレビ局や制作会社が頭を捻り、タレント事務所や音楽事務所はテレビの番組企画を遂行できるキャラクターや能力のある人気タレントを育てていく。
とはいえ、クライアントの広告宣伝部が、直接全部仕切るにはさすがに負担やリスクがデカすぎるわけで、その間やリクスヘッジを広告代理店が取り持つ。
そして、広告代理店、テレビ局、芸能界に多額の広告費が巡回していくのだ。
これが昔から今に続く、日本の広告のエコシステムである。
ここには、海外のアーティストが入る隙はまず無い、と言っていいのではないだろうか。
彼らが番組出て人気になっていくには、日本人のタレントのように、何度もテレビに出てもらう必要がある。
考えただけで、予算も仕事量も何十倍にも膨れ上がる、、、
その点、ジャニーズやAKBやお笑い芸人は楽である。
すぐに番組に出てもらいやすいし、番組の企画通りに言うことも聞いてくれる。
台本の通りに、器用に歌ったり踊ったり、ドラマで役者として出たり、バラエティでいろんなしゃべりをしてくれる。
なかでも幅広く人気があるタレントは、集中的に露出を増やし、視聴者に親しみを覚えてもらう。
田舎にロケ行って、年配の方から、まるで東京の親戚のように扱われるくらいになったら、もう大成功である。
つまり、こういうタレントは、CMに起用しやすいのだ。
海外のアーティストの場合、いきなりテレビにケッタイな外人が出てくることになる、、、
日本語も話せないし、眼の色も肌の色も違う外国人が、いきなりテレビに出てきても日本人は受け入れられない人のほうが多い。
そういう人たちをいきなりCMに出演させるのは、基本的には、視聴者を無視した乱暴な広告、と言ってしまっても良いかもしれない。
例えば、こんなCMはいきなり感がスゴイあるわけで、ちょっと乱暴。
【純】
デビッドボウイ
【すりおろしりんご】
リンゴ・スター
どれも宝酒造のCMだが、私に言わせれば、クライアントと広告代理店の作品創り遊びである。
ただ外タレ使いたいだけだからね、これ。笑
だって、「純」を呑むようなお茶の間のおっさんは、きっと演歌好きだろう。
そんな人達に、デビット・ボウイって!!笑
若い人たちに「純」を飲んでもらいたい広告代理店や宝酒造の気持ちも分かるけど、だったらブランディングや商品開発をゼロからしないと無理。
こんなの小手先も小手先の最悪のマーケティングだ。
そして、次のすりおろしりんごを飲むような、女の子たちに、リンゴ・スターは、ただの気のいい髭もじゃの外人のオッサンである。笑
ビートルズという偉大なバンドのドラマーであるRingo Starrは、リンゴ、スッター!とか、ダジャレ言っちゃだめな人だ。
イギリス国民、いや、イギリス王室からクレーム入ってもオカシクないくらいの、稀代のバカ企画である。
あーあ、日本人の恥!
ああ、知らないって恐ろしい。
世界的にはどちらも超BIGスターだが、お茶の間には全く馴染みがないから、正直意味があるとは思えないマーケティングなのだ。
あとは、音楽との親和性が高い商品であれば、、、まあ、ターゲットがその海外アーティストを知っている可能性が高い、ということで、、、、まあ、、、、アリじゃないの?と、、、
アクシア
ボン・ジョヴィ
三菱ビデオデッキ
マドンナ出演
TDK
スティービー・ワンダー
う〜〜〜ん、、、、知らない人からみたら、上と変わらんか、、、笑
でも、ペプシみたいに、マイケル・ジャクソンをCMでガンガン出してきてくると、話は別だ。
90年代前半あたりはペプシが世界的にマイケル・ジャクソンを使ってプロモーションしたのだ。
日本でもこのプロモーションが実施され、大量のCMが流された。
だって、マイケル・ジャクソンプレゼントキャンペーン、ってさ、どんだけよ、と。笑
この辺りから、他の企業もマイケル・ジャクソンをこぞって使ってきたような、、、
そうすると、マイケル・ジャクソンは、テレビ番組のタレントみたいに知られていく。
ペプシ
マイケル・ジャクソン
ソニー
マイケル・ジャクソン
すると、マイケル・ジャクソンは日本中で認知されてくるので、おそらく日本中の50代〜20代くらいまでのほとんどの人たちはマイケル・ジャクソンの音楽はなんとなく聞いたことがあるわけである。
つまり、ペプシなんかは、海外で売れてる、人気だ、という観点で起用したんだろうけど、これくらいのぶっこみ方じゃないと、日本で認知されない。
しかし、この時代、クライアントや広告代理店にしてみれば、いくら海外で人気があっても、日本市場に浸透してない海外アーティストをゼロから金と時間をかけてプロモーションしていかなきゃならないわけで、そこまでやってられない!となるわけである。
つまり、バブル時代のペプシくらいえげつないくらい広告費のかかる方法でしか、海外のアーティストは日本市場に入っていけないのだ。
まあ、扱いづらい世界的なスター級のアーティストに出演を依頼して振り回されてるより、最初から子飼いのタレントで都合よく動いてもらったほうがはるかに効率がいいしね。
そういうタレントの方がCDも売れるわけで、タレント事務所や音楽事務所は、さらに都合がいい。
まさに、利害関係がバッチリ行き届いた日本の広告エコシステムなのである。
実は、この広告エコシステムで、音楽ソフトを販売しているので、なんと日本の音楽市場は世界第2位である。
これが日本の広告エコシステムの凄さ。
この牙城はそうそう崩せない。
つまり、大企業の広告費を使って、テレビでタレントやミュージシャンを認知させ、その力を集客力に変え、市場の購買力に変えていくのだ。
AKBが一番分かりやすいかもしれないが、購買力に変えられれば、別に音楽である必要がないわけで、握手券でいいのだ。
海外の音楽のプロモーション方法とは全く違うし、ここに音楽性とかという指標は無いに等しい。
あったとしても、日本の視聴者が分かりやすい、日本語の音楽でなければならない。
英語で歌ったり、アーティスティックで実験的な音楽は必要がないのだ。
だから、新しい音楽が出てこないし、日本から海外に出ていけるアーティストが今だにいないのだ。
近年、スポーツではいろんな競技の選手がどんどん海外で活躍しているにも関わらずね。
だから、日本のミュージシャンは、テレビに出るということを目的にしないと、今でも絶対売れない。
もちろん、日本人で素晴らしいアーティストもいるが、彼らは企業のマーケティングに使いづらいので、彼らが爆発的に売れることは無いだろう。
旧態依然のエコシステムという仕組みのなかで活動しているのであれば、EXILEやAKBやジャニーズには勝てない。
そこで、次も面白い表を用意した。
世界のミュージシャンのレコードとCDの販売枚数を示したものである。
アーティスト名 出身国 売上枚数 ビートルズ イギリス 6億 エルヴィス・プレスリー アメリカ 6億 マイケル・ジャクソン アメリカ 3億〜4億 ABBA スウェーデン 3億7000万 クイーン イギリス 3億 マドンナ アメリカ 3億 エルトン・ジョン イギリス 3億 レッド・ツェッペリン イギリス 3億 A.R.ラフマーン インド 3億 ナナ・ムスクーリ ギリシャ 3億 ティノ・ロッシ フランス 3億 フリオ・イグレシアス スペイン 3億 ピンク・フロイド イギリス 2億5000万 クリフ・リチャード イギリス 2億5000万 ボブ・マーリー ジャマイカ 2億5000万 アーラ・プガチョワ ロシア 2億5000万 マライア・キャリー アメリカ 2億4000万 ビージーズ イギリス 2億3000万 ヘルベルト・フォン・カラヤン オーストリア 2億 AC/DC オーストラリア 2億 セリーヌ・ディオン カナダ 2億 ローリング・ストーンズ イギリス 2億 ホイットニー・ヒューストン アメリカ 2億 U2 アイルランド 1億7000万 エアロスミス アメリカ 1億5000万 スティーヴィー・ワンダー アメリカ 1億5000万 フランク・シナトラ アメリカ 1億5000万 ジェネシス イギリス 1億5000万 ビリー・ジョエル アメリカ 1億5000万 フィル・コリンズ イギリス 1億5000万 デヴィッド・ボウイ イギリス 1億4000万 バーブラ・ストライサンド アメリカ 1億4000万 ドナ・サマー アメリカ 1億3000万 バックストリート・ボーイズ アメリカ 1億3000万 ボン・ジョヴィ アメリカ 1億3000万 ガース・ブルックス アメリカ 1億2800万 シカゴ アメリカ 1億2200万 ダイアー・ストレイツ イギリス 1億2000万 ブルース・スプリングスティーン アメリカ 1億2000万 イーグルス アメリカ 1億2000万 ステイタス・クォー イギリス 1億2000万 ニール・ダイアモンド アメリカ 1億2000万 バリー・ホワイト アメリカ 1億 ビヨンセ アメリカ 1億 ガンズ・アンド・ローゼス アメリカ 1億 レディー・ガガ アメリカ 1億 ボニーM ドイツ 1億 ブリトニー・スピアーズ アメリカ 1億 ブライアン・アダムス カナダ 1億 カーペンターズ アメリカ 1億 シェール アメリカ 1億 パティ・ペイジ アメリカ 1億 ディープ・パープル イギリス 1億 デペッシュ・モード イギリス 1億 ドリー・パートン アメリカ 1億 フリートウッド・マック イギリス 1億 ジョージ・マイケル イギリス 1億 ジャネット・ジャクソン アメリカ 1億 ペット・ショップ・ボーイズ イギリス 1億 ジョニー・アリディ フランス 1億 シャルル・アズナヴール フランス 1億 ケニー・ロジャース アメリカ 1億 キッス アメリカ 1億 トム・ジョーンズ イギリス 1億 ライオネル・リッチー アメリカ 1億 ルチアーノ・パヴァロッティ イタリア 1億 メタリカ アメリカ 1億 三橋美智也 日本 1億 オリビア・ニュートン・ジョン オーストラリア 1億 ポール・マッカートニー イギリス 1億 スコーピオンズ ドイツ 1億 ロッド・スチュワート イギリス 1億 ティナ・ターナー アメリカ 1億 ザ・フー イギリス 1億 シャナイア・トゥエイン カナダ 1億 グロリア・エステファン アメリカ 9000万 R.E.M. アメリカ 9000万 エミネム アメリカ 8600万 アイアン・メイデン イギリス 8500万 B’z 日本 8000万 美空ひばり 日本 8000万 ドアーズ アメリカ 8000万 バリー・マニロウ アメリカ 8000万 プリンス アメリカ 8000万 カルロス・サンタナ メキシコ 8000万 ヴァン・ヘイレン アメリカ 8000万 アデル イギリス 7800万 ブラック・アイド・ピーズ アメリカ 7500万 ジャーニー アメリカ 7500万 ユーリズミックス イギリス 7500万 ルイス・ミゲル メキシコ 7500万 ニルヴァーナ アメリカ 7500万 2パック アメリカ 7500万 スパイス・ガールズ イギリス 7500万 ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック アメリカ 7500万 アンドレア・ボチェッリ イタリア 7500万 ケニー・G アメリカ 7500万 エンヤ アイルランド 7500万 フォリナー アメリカ 7500万 ケイティ・ペリー アメリカ 7200万 ロビー・ウィリアムズ イギリス 7000万 ボブ・ディラン アメリカ 7000万 ミートローフ アメリカ 7000万 シャキーラ コロンビア 7000万 カイリー・ミノーグ オーストラリア 7000万
ビートルズ、エルビス・プレスリーは6億枚売っている、、、
六億枚って。
レコード2,000円換算で、1兆2,000億円である。
マイケル・ジャクソンでさえも、3〜4億。
マドンナも3億枚。
それでも、2000円換算で6,000億円だ。
これ、レコードとCDだけの販売量なので、原価ほとんどかかってない。
ほぼ利益の金額である。
世界で通用する音楽を作り上げ、世界で通用するステージパフォーマンスを提供することで、彼らはこの売上をなしえているのである。
そして、日本のアーティストナンバーワンは三橋美智也だ!
1億枚も売ってる、日本のエルビスである。
そして、美空ひばりは8,000枚。
日本のマライア・キャリーか?笑
ココらへんの時代の歌手は、広告エコシステム誕生前だっただろうし、音楽だけで売ってたからなあ。
美空ひばりに並び、B’zも8,000枚。
B’zは、ドラマ主題歌とか時代的にエコシステムに乗ってる部分もありながら、アイアンメイデンにも迫るこの数字はスゴイ枚数である。
Princeより売ってるし。笑
それがほとんど日本だけの販売量という凄さ。
B’zのあとに、サザンオールスターズが続くのか、Mr.Childrenが続くのか、SMAPが続くのか分からないが、この表みてると日本の音楽だけ聞いてるのってちょっとヤバイ感じしてこないだろうか?
B’zの音楽しか知らないB’zのファンって結構いる。
知っててもBOOWYや氷室京介とかあのあたりくらいで海外のアーティストなんか知らないのだ。
つまり日本の歌手は、日本市場に海外のアーティストの音楽が入ってきてないからこれだけの枚数叩きだせたりするのではないだろうか。
かの三橋美智也、美空ひばりにしても、あの時代、娯楽が少なかったわけで、演歌が流行ったりもしただろう。
日本市場というかなり狭い市場で作られた音楽と、世界中でボコボコにされて勝ち残ったアーティストでは、そもそものレベルが違いすぎるのだ。
そういう本質的な商品を作れる海外のアーティストや役者にとって、CM出演は若いころの売れない時代にやる仕事だったりする。
ここまでいくと、一流どころは、CM出ても小遣い稼ぎ程度にしかならないのだ。
そう考えると日本はかなり異質。
本来それぞれで収益化すべき音楽は、テレビなどのメディア、広告主と、全部グルになって、文字通り、消費者を囲っているというビジネスモデルで回っている市場なのだ。
だから、音楽は世界で通用するものを作る必要がないし、別に海外の一流をプロモーションする意味が日本市場には無い。
広告エコシステムからしたら、海外のアーティストのマネタイズは、CDとライブくらいなんだから、それでレコード会社は勝手にやって、ということだろう。
実は私は、昔、当時、超人気海外某女性アーティストと某日本企業のタイアップキャンペーンを企画し、応募して抽選でこのアーティストに会える!みたいなイベントを実施した。
規模は小さいが、ペプシのマイケル・ジャクソンの企画と似たようなものだ。
本来ならこういうキャンペーンは、テレビに取り上げられメディアが取材に来てもいいはずなのだが、音楽雑誌以外、まったく音沙汰なし。
マジかよ、と思ったけど。笑
まあ、一部の熱狂的なファンが来て一緒に写真撮ったりしてたから、まあ無事終わったが、今思えば、広告効果なんかほとんどない。
プロデュースした私が言うのもなんだけど、レコード会社と、某日本企業の自己満で終わったと思う。
そんだけ知られてないから興味ないのだ。世界でどんなに有名でも。
すると、私たち消費者は、B’zに洗脳されちゃうわけ。
B’zが世界最高のロック・バンドだと思って、ほとんどの日本人は死んでいくのだ。
ブルー・ハーツが、ホンモノのパンクだと思って、ほとんどの日本人は老いていくのだ。
尾崎豊が伝説だと信じて、カラオケで歌詞を噛み締め歌っていくのだ。
世界でこれだけ評価されてるアーティストや音楽がたくさんあるのに。
だから、もし、あなたが、邦楽しか聞かないとか、月九のドラマしか見ないとか言ってるのであれば、そのことの恐ろしさをちゃんと受け止めるべきである。
あなたの感性が大企業の意図によって操作されているというのに、他ならないからである。
じゃあ、海外でやるぜ!と、インターネットを使ったりして発信して海外に届けても、
クールジャパンだ!日本の文化を世界に!とやっていても、かなり厳しい。
というのも、クールジャパンとかいってるけど、海外でかなりマニアックなごく一部の人たちが日本のカルチャーが好きなオタクであるからだ。
フランスで毎年やってるJapan Expoだって、7日で25万人しか来ない。
日本のコミックマーケットなんて57万人とかだ。わずか3日で。
しかも、Japan Expoはテーマパークに来るような家族連ればかりで、子どもたちが楽しそうにコスプレしているのが中心だ。
攻め攻めのコスプレしたお姉ちゃんも居るし、フィギュアや漫画を両手で抱えて息荒く買いに走っているキモオタみたいな奴も居るが、正直日本に比べて数は少ない。
こういうガチオタが思いっきり消費するから、こういうイベントの意味があるわけだ。
家族連れなんかたいして金使わないし、使わなくても十分楽しめる。
にも関わらず、フランスでは、日本のオタクカルチャーがめちゃくちゃ人気です!なんて、日本のメディアは伝えていたりする。
事業者にしてみれば、わざわざフランス行って漫画やフィギュア売るより、日本だけで売ったほうが儲かるよ、これじゃ。という現実があるわけだ。
これも、日本のメディアにやられちゃってるだけの話なのだ。
圧倒的に少数派をさして、海外に日本が求められてる!と取り上げ、おおそうか!と騒いでると考えると、日本人としてかなり痛々しい。
日本の音楽のレベルは低いと言わざるをえない。
それでも、昔に比べたら演奏側は相当進化しているのは分かってるのだが、いまだに歌が圧倒的に不利。
英語で歌えないんだから、世界で戦えない。
だって、BABYMETALと、8500万枚売ってるアイアンメイデンが戦えるか?
きゃりーぱみゅぱみゅは、7200万枚のケイティ・ペリーと戦えるのであろうか?
いやいや、7000万枚のシャキーラみたいに、腰振れるか? あ、関係ないか笑
B’zは広告エコシステムで8000万枚も売ってるが、海外の彼らはそんな広告エコシステムが無いので、商品の質を世界品質にするしかないのだ。
消費されるコンテンツではなく、何十年も残るコンテンツの質を追求しているのだから。
もし、あなたが、ビヨンセもローリング・ストーンズもビートルズも、ジェイムス・ブラウンもプリンスも、メタリカもアイアン・メイデンを聞いたこともなく、聞いても良さがわからないとしたら、あなたの感性は日本企業のマーケティングに洗脳されているに違いない。
残念なことに、世界品質が理解できない感性なのだから。
私は、Princeの大ファンで今回の突然の訃報のショックはおおきかった。
Princeは実験的な音楽が多く、理解しづらいアーティストの一人だが、世紀の天才ミュージシャンだ。
実際、オバマ大統領からも追悼を捧げられ、世界的なアーティストはこぞって彼の楽曲をライブやコンサートでトリビュートしていった。
それくらい世界クラスのMusician’s Musicianだったのだ。
そんなド変態なのだ。そりゃ気持ち悪いのは当たり前である。
だから、私は意味不明な楽曲でさえも、彼の思考を理解しようと、何度も聞いて、良さを見出していった。
Princeが良いと言っているのだ、天才が良いと言っているのだ。
自慰行為を歌った、性行為を歌った、あの楽曲を世界が、アメリカの大統領でさえも、評価しているのだ。
私が分からないのは、私のセンスがダメなせいだ!と、コンクリートの壁に頭を何度も打ち付けるがごとく、荒行をしていった。
おかげで、私の拳と前頭部は傷だらけで、いまもその後遺症に苛まれている。
しかし、センスや感覚とはこのようにして磨かれていくものなのだ。
世界品質の音楽は聞き流すものですはない。受け入れる側の度量を試されるものなのだ。
音楽の「お」の字も知らないで、偉そうに良いの悪いの、好きだの嫌いだの言ってる奴は、私はセンスないです!と言い放ってるだけなのである。
だったら、今でも遅くない。
音楽だけでなく映画なども含めた、海外の一流のエンターテイメントを自分の感性に取り入れるべきである。
良さが分かるまで聞いて、聞きまくり、さらにはその制作背景や歴史までを学ぶといい。
掘ったとしても、わずか4〜60年程度昔くらいの歴史しかないのだから。
でもそれが、音楽や映画のコンテンツの基本が全部詰まっているのだ。
エンターテイメントなんか世界共通言語。
私なんかこういうところから、コンテンツや企画なんかも全部影響を受けているわけで、私の企画の源泉になっている。
そして、ホンモノのコンテンツに触れることで、日本のコンテンツのショボさが分かる。
申し訳ないが、ジャニーズやAKBがいかにお遊戯なのかが分かるだろう。
彼らに魅力を感じなければ、彼らを広告塔に使っている企業のマーケティングの魔術から、解き放たれる。
そしたら、自分で騙されてるのかどうなのか、ちゃんと判断が付くようになる。
だから、海外の一流のアーティストの良さが分からないという感性しか無いのであれば、ちょっと異常なのを理解したほうがいい。
アイアン・メイデンってヘビメタでしょ?オレの趣味じゃないんだよねとか、
プリンス?なんかゲイみたいで気持ち悪いよね?とか、
ストーンズ?爺さんの音楽じゃん!つまんない!じゃ済まされない、ってことだ。
だって、やばいよ。
世界中の人が、素晴らしいと評価している基準を共感できていないって。
これは、私の世代が、洋楽好きとかロック好きが多い、とか言われがちだったりするが、それは違う。
だって、私は私のその上の世代、さらにはその上の世代の音楽まで遡って聞いてきたのだ。
私も100年位前のブルースとかよく好きで聞いている。
実際、アメリカやイギリスのミュージシャンを目指す若者は、こういう源流の音楽やアーティストを子供の頃から聞いて育っているのだ。
これは100年も前から愛されている音楽、つまり共感性の高い音楽の本質をちゃんと理解し、歌い方の節回しやリズム感などを養っていくのだ。
これは、先のコンクリートに頭を打ち付けるがごとくの修行であるが、表現者には必須。
それを今の音で表現し、新しい音楽を作っていくのだ。
アメリカなどのオーディション番組を見ていると、これが本当によく分かる。
共感性のある源流の音楽の本質を理解し、自分なりに表現できないと、勝ち残れないのだ。
そういう感覚が備わって、消費者がちゃんと良し悪しを判断できる市場なのだ。
言葉や文化が違う人種の坩堝のアメリカの人たちは、言語だけのコミュニケーションでは満足できないのだろう。
言語を超えて共感できる音楽というものが求められるのであれば、共感性をきちんと踏襲していくことこそが、音楽の質、である。
音楽の質の根源である、大昔のブルースやジャズに影響を受けていない海外の一流ミュージシャンはいないのだ。
そして、その質を時代にあわせて表現していけば、文化や言語が違う国でもちゃんと売れることが分かっているのだ。
そういう商品の設計をしているのが、アメリカの音楽の作り方であり、マーケティングなのだ。
マーケティングで大成功したビートルズやプレスリーの楽曲は、言語が全く違う国で、いきなり歌っても、みんなですぐに合唱できるし、共感性が高いので、人と人の距離を一気に縮めてくれる。
これが、まさに、音楽の質の力なのだ。
いきなり美空ひばりとかB’z歌っても、ぽか〜んとされるだけである。たぶん。やったことないからわからんけどw
英語がペラペラ話せるとか、そういうことの前に、まずは音楽を通じて感性をグローバルに持って行ったほうがいい。
言葉や文化が違う人たちと音楽で共感するって、人間のコミュニケーションで考えたら、言語以上に根源的なものである。
そういうものを受け入れたり、空気を読んだり、共感するできる力が感性である。
感性とはコミュニケーションを司る力なのだ。
しかし、共感の基準になる感性が、ズレていたら、どんなに語学堪能でも、相手は簡単に心をひらいてくれないだろう。
ビジネスでもグローバル化とずっと言われてるが、なかなか日本の企業が難航してしまっているのは、こういうグローバルな感性の基準が、ズレてるからなのではないかと思うのだ。
だって、人間誰しも、自分と感覚がズレてる奴は、気持ち悪い。
少なくとも、快くはない。
こういうことが、日本企業がほとんど世界で活躍できていないという、最大の理由なのではないかと思うのだ。
だから、アニソン聴いてないで、アイアンメイデン聴いてみろ、と。
アニソンのメタル系のギターのフレーズなんか、アイアンメイデンから派生してるのたくさんあるんだぞ!と、声を大にしていいたい。
言い切るが、BABYMETALは、アイアンメイデンなしには存在しないのだ。
それを知らずに、日本のカルチャーとか、アニソンとか、ぬかしてんじゃねぇぞ!と。
そうやってメディアに洗脳されて、外を見てないからダメなんだ。
アイドルのライブ行って、ヘラヘラとペンライトやサイリウム振り回してるんじゃねぇよ!
振り回すのは頭だ!!
海外は皆、ヘッドバンギングだ!!!
手を影絵の狐っぽくして掲げているんじゃねぇぞ!
海外は皆、メロイックサインだ!!!
これがグローバルだ!
これが共感だ!
アイアンメイデンの名曲「Aces High」でも聞いて、目を覚ましてくれ!
アイアンメイデンだって、ブルースが源流だ。
音楽的にもペンタトニックスケールというブルースの音階を多用しているのもこの裏付けなのだ。
つまり、理論的にもブルースなわけで、この楽曲にブルース感じられないのであれば、あなたはもうすでに洗脳されてるのだ!!!