器用貧乏が、今の成果の出るマーケティングに必要な考え方である。 | アナーキーマーケティング

器用貧乏が、今の成果の出るマーケティングに必要な考え方である。

WEBマーケティング

 

広告やマーケティング業界では、ありとあらゆるスペシャリストがしのぎを削っている。

CMプランナー、CMディレクター、カメラマン、スタイリスト、アートディレクター、デザイナー、コピーライター、Webマーケッター、セールスプロモーションプランナーなどなど、そして、それらをまとめる、プロデューサー。

それから、忘れてはならない営業担当のアカウントエグゼクティブたち。

大きな予算の案件であればあるほど、その分野のスペシャリストで構成されたチームで制作していくのだ。

しかし、昔から、広告の世界では、数百万程度の案件でも、なぜか同じやり方で仕事をこなす。

私は、当時からこれに疑問を抱いていたので、めんどくせえから1人でやるわ、と数百万程度の案件は少数で片付けていた。

会社から見たら、とんでもなく生産性のいい社員である。笑

そんなことより、私は、制作チームで、手も動かさないのにガタガタ言うヤツを入れたくなかっただけだったりしたんだけど。

客の満足度は、クオリティじゃなく、営業的対応だったりすることの方が大きいのを現場感覚で知っていたからだ。

クリエイターが都度の納期守れないなら、俺が作っとくわ、という程度の話。

細かいデザインのブラッシュアップとかは、プロに任せりゃいいだけだ。

これを書きながら、他のプロデューサーが事故って火が付いた案件の火消しとかよくやってたな、と、ちょっと思い出した。笑

そもそも、Macでだいたいが作れる時代に、口ばっかりで何も手を動かせないなんて、なにいっとんのじゃ、クリエイターいなくてもアンタが手を動かせば納められんじゃねぇの?ということである。

でも、いまだに、プロデューサーとかディレクター気取りの口ばっかりくんが横行しているからね。

そういうのを横目にやってきたら、徹夜続きで、器用貧乏、と揶揄され、、、笑

でも、数年後、そんな器用貧乏が、器用金持ち(その頃よりは随分マシ!)になっていくのである。笑

なぜか?

当時からの私の考え方をここに示したい。

総合設備効率を知っているか?

総合設備生産効率(OEE) = 稼働率 × 性能 × 品質

という式で計算して、その工場の生産効率を測るものだ。

例えば、稼働率が86.7%、性能が93.0%、品質が95.0%だとすると、

OEE = 86.7% x 93.0% x 95.0% = 76.6%

それぞれの数値を2倍3倍とするのは、とんでもなく大変だが、1〜2割の数値を上げるのはそこまでたいへんじゃないので、あくまでも総合的に現場をマネジメントするべきだ、というオチのものである。

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これは工場生産性の式であるが、人の稼働も同様である。

とくにマーケティングや広告は人件費の塊であるので、総合設備生産効率を流用させて考えていきたい。

働く時間(8時間を1とする)×コミュニケーション能力(標準を1とする)×クオリティ(標準を1とする)

一般的な能力の人は、

1×1×1=1

としよう。

スペシャリストは概ね、クオリティが高いが、コミュニケーション能力が低いことが往々にしてある。

コミュニケーション能力を0.5、クオリティを人の倍、2とすると、(人間の能力に2倍の差っていうのはほとんどないので2倍なんていうのは天才の領域)

働く時間×コミュニケーション能力×クオリティ 1×0.5×2=1

あれ?天才みたいな扱いにくいクリエイター使ってすっげー面白い企画考えたんだけど、生産性は一般的?

俺が、どんだけ、根回しして、頭下げて頼んだか、分かってんのかよ!信じらんね〜!!

と叫びたくなる、必死こいて頑張ったプロデューサーの気持ちも分からないでもないが、ほとんどのプロデューサー手腕というのは大概にこの程度であったりするので、座禅を組んでご自身の胸に手を当てたら納得されるのではないかと思う。

要は、扱いにくい変人に依頼するより、一般的な能力のやつ連れてきて、働かせりゃいいじゃん!

やっぱり、マネジメント大事!って、ことである。

もちろん、天才変人ばかりではない。

 

一般的ビジネス感覚のあるスペシャリストもいる。

コミュ力を一般的な1、クオリティを20%UPしてみよう。

1×1×1.2=1.2

約20%性能が高いアウトプットを提供してくれるのは、悪くない。

言い方悪いが、そこらへんのフリーランスが、食えるのは、一般的な人の20%成果物のクオリティを上げれば食えるからだ。

この20%の能力は、おそらく、業界の人でも読まない専門書を2〜30冊読んでみたり、それを元にアウトプットとの訓練を1日2時間程度加えるだけだ。
(1日8時間としてら、1.6時間が2割にあたる)

はっきり言って、努力だけの問題なので、才能などいらない。

これが、石を投げればフリーランスにあたる、と言われている所以である。

では、そのクオリティを大先生にやらせてみたとして、1.7としよう。

1.7程度にさせてもらったのは、天才と言われる人は別として、人間の差なんて2倍ってことはないからだ。

せいぜい1.5倍。

1.7程度の能力で、十二分超スペシャリストとして、通用するはずだ。

しかし、1.7と1.2の差は、ざっくり50%の差である。

これは、なかなかの壁である。

経験は勿論、才能的な話もでてくるだろう。

しかし、このフリーランス君が、ちょっと気合入れて働いたとしよう。

1.2×1×1.2=1.44

一気に大先生に追いつく。

では、さらに、営業活動をちょっと頑張ってみたとしたら、

1.2×1.2×1.2=1.728

大先生追い越したやないかーーーーい!!!

さらにびっくりするのが、それぞれを30%アップさせてみよう。

1.3×1.3×1.3=2.197

脅威の200%超え!!天才ばりじゃねぇか。

つまり、態度のデカイ、偉そうなこと言ってるスペシャリストの御大なんかよりも、頭下げて営業できて、そしてコツコツと手を動かし、学び実践してビジネスに取り組んでいる、マジメな人たちがいかに生産効率が高く、ビジネスにおいて有能かということである。

つまり、すんげぇクリエイティブのスキル持ってても、マーケッターとしては二流なのだ。

どれだけやっべえコピーが作れても、どれだけぶっ飛んだデザイン作れても、どれだけWEBで集客できても、二流なのだ。

 

特にWEBの世界は、クロスメディアしやすいため、総合力の世界になる。

しかも、クライアントが成果を求めれば求めるほど、総合戦で戦わざるを得ない。

だから、アクセス数をガンガン集められるWEBマーケティングの会社に依頼しても、デザインが素晴らしいWEB会社に依頼しても、成果がでにくい、というわけである。

WEBで成果を出そうとしたら、最低でも、コピーライティング、デザイン、WEBマーケティング、WEB制作の専門家がいないと無理なのだ。

ただ、IT時代のスゴイところは、これをコンパクトにやれるツールや環境が揃っていることなのだ。

それぞれの偉そうな専門家を集めている間に、さっきのそれぞれの数値をたった2割だけ自社でアップすることができれば、専門家なんぞいらないのだ。

2割の時間、2割のコミュ力、2割の品質、それぞれ意識するだけで、圧倒的な成果を手に入れられるのである。

もう、ビッグネームに依頼すれば成果が出る時代は、とうの昔に終わってるのは知っていただろうけど、

上記の成果のアウトプットの考え方を持ってしても、マーケティングにおいて〇〇の専門家がいかに使いものにならないかを示唆している。

つまり、これからの成果が出せるマーケッターは、マーケティング上では、なんでもそこそこ知ってる、なんでもそこそこ出来るっていうジェネラリストである必要があるのだ。

もはや、デザイナーに頼んでるんで、修正3日後ですね、、なんていう、大マヌケは使いものにならないのである。

 

そして、社長のあなたは、この幅広い知識は最低でもつけないと、誰が本当に使えるマーケッターなのか見極めることが出来ない時代でもある。

それに、優秀なマーケッターを味方につけても、成果の出るマーケティングの戦略をともに練ることもできないし、実務に落とし込んで社員に指示すらできない時代なのである。

社長自ら、コピーライティングばっかり勉強しても、WEBマーケティングばっかり勉強しても、まったく成果が出ないとか、歯がたたないのはこのような理由なのだ。

だって、全部やんなきゃ、自社でできないからね!

全体を学ぶことは絶対に必要だけど、専門分野の特殊スキルをつけても勝てるわけないのだ。

社長やりながら、2割頭出すって結構たいへん!つーか、ありえんくらいハード!

それぞれの分野をそれなりに、1割程度、いや5分でいいのだ。

あとは、あなたの見る目を通じて、どんなマーケッターを味方につけるか、である。

あなたがやるべきは本業で稼いで、自分のマーケティングチームの人件費と広告費に当てればいいのだ。

そうすれば、売上を簡単に2倍、3倍と増やせるんだから。

その証拠に、売上も上記の計算式で証明できる。

売上=客数×単価×リピート数

これも同様、30%アップすれば、2倍以上の売上だ。

それぞれの施策で30%UPさせるのは、自社ではキツイ。

そこに、マーケッターを使うのは、相当賢い戦略だと思うのだが。