「マーケティングが失敗する最大の理由」
って、何だと思う?
答えは、、、、
商品が悪いから。
え?
これマジですよ。
クライアントに言えないでしょ、これ。
でも、これ、どんなコンサルタントも広告代理店も、みんな影で言ってるのだ。
事務所戻ってきて、あのクライアントの商品は難しいなあ、、、って。
それでもなんとかするのがプロかもしれないけど、誰も神様ではないからどうにもならないこともある。
でも、私は、少なくても、きちんとお伝えしている。
あなたの商品、ニッチすぎだから、これ以上は売れない、と。
まあ、言われる方は、相当耳が痛いと思うが、事実は事実だ。
なぜ指摘するかというと、経営者の腹を決めてもらわないと、これを超えることはできないからだ。
こういうのは、小手先のマーケティングじゃどうにもならない。
本質的な改善が必要なのだ。
多くの場合、ニッチ市場を狙え!というのを真に受けすぎて失敗していることがほとんどだ。
そもそも、ニッチというのは、市場が狹いので、ビジネスが当たりやすい一方、売上の天井も低い。
そして、プレイヤーも少ないので組める相手も限られる。
つまり、事業がレバレッジしていきにくい。
そのニッチ事業を2倍3倍にしていくのは、市場がないので、物理的に難しいのだ。
ここには、実は大きなキャズムが存在している。
このキャズムを超えるのは、そもそもニッチ市場がニッチでなくなっていく過程の市場にしかない。
例えば、WEB広告がいい例である。
10年前こんな広告の代理店はニッチだったが、いまではニッチじゃなくなってる。
こういう外的要因に乗らないかぎり、このキャズムは超えることができないのだ。
そして、ほとんどの中小企業がニッチ市場を狙って、このキャズムに沈んでいくのだ。
とはいえ、ここから這い上がる方法がないわけではない。
私はよく言うのは、
いままでの商品を捨てて、時代に合わせたマーケットを探せ!
である。
経済は金融経済と実態経済がある。
実態経済で不景気だ、というニュースは、このキャズムに沈んでいる会社や業界を指していたりするのだが、
実態経済で、好景気と話題にされる業界は、だいたいがこの金融経済とリンクしていることが多い。
例えば、2020年の東京オリンピックに向けて、投資が集まる業界で一番先に思いつくのは、建設業界である。
東京オリンピックには大勢の外国人が東京に押し寄せ、宿泊施設、飲食店などが足りなくなる。
ここに投資すれば回収できるのが分かっているから、金が集まる。
ということは、ここマーケットに対して自社が何ができるかを考える方が、売れない新商品を開発するより時間と労力とコストをかけずに売上をあげていくことができる。
と、まあ、ここまでは、普通に思いつくところだろうが、ここに大きな落とし穴がある。
自分の知らない業界やると、それこそ大変な目に遭う!ってことだ。
建設業界やるって言って、あなたにそれらを買った経験すらなければやらない方がいい。
それこそ新規事業レベルの苦労を伴うだろうから。
この好景気業界の流れにあわせて、やっていただきたいのだが、ニッチ市場のセグメントを外すということだ。
ヒト・モノ・カネが少なくて回しやすいニッチ市場で回るようになったら、その市場へのセグメントを外して欲しいのだ。
例えば、車のネジを作っている工場は、めちゃくちゃニッチな商売だが、そのセグメントを一枚外すと、車のパーツ屋だ。
ネジ屋という概念で縛られて、自ら狹い市場にいるより、車のパーツ屋と言ったほうが、見込客を集めやすいのが想像できるだろう。
そこから、先の好景気業界と掛けあわせて考えていくと、「建設現場車両専門の車のパーツ屋」として市場に提案できたら、需要がある可能性は非常に高い。
本業はネジ屋なのに、取り扱い商品はマーケットニーズにドンピシャなものを揃えてるんだから、勝手に強みになってくれる。
その一部の商品に、収益性の高いネジを入れときゃいいのだ。
ちなみに、この内容を書くにあたり、「建設車両 パーツ」とググったら、いきなりヤフオク!のカテゴリが出てきた。
ヤフオク!で需要があって、まともなECが出てこないとなると、、、、ひょっとしたら、これ、めちゃくちゃブルーオーシャンかもしれない。
私も分かりやすくイメージしやすい例を思いつきで書いただけので、ちょっとビックリした。笑
これは、私がECサイト作ったりするときに必ず利用している、フレームワークの一つである。
しかし、こういうことを提案すると、必ず、
需要はあっても、ウチは工場だし、ネジしか作れねぇから出来ねぇよ、
なんて言ってくる方が多いのだが、こんなもの言語道断である。
あなたがいくら素晴らしいネジを作ってたって、それを買う人を集められなきゃ、売上は伸びない。
売上伸ばすのが目的? マスターベイション的なネジ工芸を作るのが目的?って話で、目的をごまかしちゃいけない。
目的を達成できないのなら、今やってる商品なんか、捨てたほうがマシだ。
目の前の商品なんか、目的達成のための、手段であることを忘れちゃならない。
それに、新しい商品を調達するのなんか新商品を開発するより、よっぽど簡単だ。
あなたが、その業界に長くいるなら、鋳物屋だって、研磨屋だって、なんだって、車のパーツを作れる工場は、知ってるだろうし、知らなくても紹介なんて余裕でしてくれる人は周りにいるはずだ。
彼らの力を借りてパーツ屋をとして集客すればいいのだ。
もし、市場に需要があるなら、余程の偏屈でないかぎり、あなたからの仕事は請けるはずだ。
こういう、いままでやったことのないアイディアを提案して、彼らを説得できないのは、集客を先にやってないからだ。
買う客がいるなら、いくらでも彼らを説得できる。
こうやって、断れない割のいい仕事を依頼し、金で説得するを、「人を使う」というのだ。
立派な経済コミュニケーションだ。
何事もそうだが、こいつと一緒にやるから説得しないと、なんて甘い考えは捨てたほうがいい。
誰が上で誰が下かというのをカネの流れが、分かりやすくしてくれるのだ。
誰かがリスクをとって腹を決めて、誰かがそれに従う。
そんなのは社内だけの話ではなく、仲間内の社長の間でも、所詮この関係だ。
これは商売という、戦争だからこそ、その上で、信頼、人柄、温情、友情があるものだと私は考えている。
とにかく、新しいことをやるための説得は、金で横っ面をひっぱだくが如く、説得させるしかない。
そのためにも、まず先に集客が必要なのである。
このように、ニッチを脱出する考え方に、実務に則した「マーケティング」が必要で、
実際に動かすためにイニシアティブをとっていくのも同様に、「集客」がキモになってくるのも、ご理解いただけたと思う。
こうやって、あなたにかかってるニッチの呪いを外してみると、ウチの商売は〇〇だから、、、なんて、ボヤキがいかにくだらないかお分かりになるだろう。
勉強しすぎて、魔法のようなUSPはどれか?とかポジショニングがどうこうと、ウンウン唸ってる暇があるなら、ニッチを外して、それと向かい合う腹を決めればいい。
机上の空論は小手先の対策になりやすい。
とくに、マーケティングなんて、ただの小手先を論じていることが多いのだ。
コンサルタントも広告代理店も他社の事例を並べる。
いやいや、本当に聴きたいのは、そういう情報じゃなくて、それを元に実際手を動かして金を投じてなにをやってるかどうかだ。
だって、情報だけの、そんな小手先では何も変わらないのを、あなたも知っているだろうから。
本当に活用して成果出すほどのマーケティングを導入したなら、それ以外の部分やひょっとしたら会社組織全体を変える必要も出てくる。
商品の変更だったり、調達方法だったり、社内のマネジメントだったり、、、
それを賭してでも、変化を受け入れ、チャレンジしていくというマインドは、導入する上の覚悟でもある。
そういう覚悟がないのであれば、マーケティングなんてやる必要はないし、下手に取り組めば諸刃の剣の如く、あなたに怪我を負わせることだってある。
机上から実務に突っ込んでいったときに必ずぶち当たるのが、教科書通りにいかないってことだ。
そもそも、机上で学んだことの本質的な意味を履き違えているというのが、その上手くいかない理由なのだ。
このニッチを狙え!ということも、理屈ではあってるが、実務では、ニッチを狙いすぎると、自分で自分の首を締めていく。
それがニッチ市場の大きな罠だ。
だからニッチ市場との付き合い方というのは、
事業の立ち上げでは、ニッチ市場を狙い、天井が見えてきたら、そのセグメントを解除させてより市場の多いところへと事業ドメインを変更し、事業を拡大させていく。
これが、理論と実務に則した、本当のニッチマーケティングの考え方とやり方である。