5月13日、お笑い芸人、厚切りジェイソンのTwitterが話題になっていたようだ。
この厚切りジェイソン、実は、IT上場企業テラスカイの役員をしているような、れっきとしたビジネスマン。
しかも、テラスカイは4月30日に東証上場したようで、現在厚切りジェイソンは莫大なストックオプションを得たはずだ。
私は、厚切りジェイソンっていう名前は聞いたことがある程度で、全く知らなかったけど。
で、話題になったTwitterがこれ。
これを真に受けた人たちが、いろいろと書き込んでいたが、ちょっとびっくりした。
というのも、おそらくではあるが、厚切りジェイソンの本意ではないであろう、捉えられ方をしていたからだ。
会社がぶら下げたニンジンを得るための残業ばっかりやってないで、もっと自分が成長するための努力をしろよ、と言いいたかったのではないだろうか?
私のサラリーマン時代を思い返しても、出来る人ほど帰りは遅かった。
そりゃそうだ。
仕事できるんだから、仕事量が半端ないわけで、時間がかかるから、残業になる。
逆に、早く帰る奴は仕事できないから、仕事量が少ない。
しかも、仕事出来る人は、残業した後や土日に勉強。
そうやって、職場のせいにしないで、自分の価値を上げるために、努力してた。
私も95%のやらない人たちを横目にやってたし、おかげで今でも当たり前にやれている。
こういうのは、習慣化するから、やってる人とやらない人の差はどんどんひらいていく。
わずか3ヶ月もあれば、雲泥の差になってくるのだ。
1年も続けてやったら、「競合力」は必ず得ることができる。
厚切りジェイソン曰く、「ショベルを置いて火薬で石をぶっ壊す」ための努力の形は、まさにそういうことだろう。
そりゃ、ルーティーンでできるような仕事ばっかり残業してやってたって、未来は無い。
残業しようがしまいが、自分の市場価値をあげる努力は必要だ。
努力ったって、なにも勉強したり、本を読むことだけじゃない。
自分の知らないことを専門にやってる人と会って話をしたり、
いままでやったこともない仕事を手伝ってみたり、 新しいスキルを身につけるために訓練したり、、、
つまり、努力って、サラリーマンとして与えられてる仕事以外で、自分を成長させることをすることだ。
それをやるってなると、残業をなるべくしないように工夫しだすのだ。
そう、厚切りジェイソンが言うように、仕事を効率よく終わらせようと必死になる。自分を成長させるための時間を取りたいゆえに。
この資本主義の中では、より金を稼げる自分にすることが、成長だし、それ以外は余暇だ。
残業なければ、だらだらと愚痴って酒飲んでるか、帰ってテレビ見てるかインターネットで遊んるくらいでしょ?
自分の成長に関することを全くやらない、余暇に全力投球しちゃう。
そりゃ、仕事できないよ。
競争から逃げてんだもん。
逃げないように、会社に管理されないと、やらないから、無理やり残業せざるを得ないってわけだ。
まあ、しょうがない。
厚切りジェイソンは、こうやって自己管理能力がなく、残業前提でダラダラやってるのがおかしいし、そうやって成長機会を自ら作り出せないことが、バカバカしいと言っているんじゃないだろうか。
かといって、自己管理能力を身につけて、努力したところで報われるという保証なんかない。
こんな、超当たり前なことまで言及されている。
そもそも成果を出すには、厚切りジェイソンが言うように、「賢く努力」する必要がある。
でないと、同じ場所を行ったり来たりしているだけで、目標には近づけない。
やるからには目標設定は重要だ。
だが、努力するための動きすらしてないような、そもそも目標設定以前の、ここのTwitterで賛同しているような自己管理能力がない人たちは、
残業がなくなる=成果報酬
となることを理解していない。
時間で軸で管理せずに、成果で管理する。
つまり、残業がなくなったら、私がこんだけやってるのに評価されない!って、居酒屋の愚痴の定番理論は通用しないわけだ。
仕事量と成果は比例しないわけだから。
では、彼らの残業をなくし、ガチの成果報酬制度になったとき、はたして彼らは、いくら貰えるんだろうか?
ヘタしたら、年俸100万とかじゃない? いや、貰えないかもしれない。
だって、成果報酬は、成果出せなきゃ、価値ない。貰えなくても、仕方ない。
非管理型になるわけだから。
厚切りジェイソンは、「毎日ノー残業デー」というキャッチーな提案をしながら、Dead Or Liveの極端な二極化を勧めている、実に欧米的なビジネスライクな思考の持ち主だってことだ。
まあ、安倍政権の流れ、グローバル化の流れ、いろんな大きな世の中の流れを見るほどに、今後日本は二極化をさけて通れないだろう。
そういう意味では、厚切りジェイソンは正論すぎるくらい正論。
だか、こういうことを考慮せず、目の前の苦難から逃れたいという欲求から、「毎日ノー残業デー」に反応してる人たちがこれだけいるってことは、まさに、平和ボケの極みだ。
ちょっとくらい危機感持ったら?と、彼らに投げかけたくなった次第である。