突然だが、アダルトビデオのオンライン販売のユーザー層ってどんな人達だろうか。
18歳以上の男性?
いやもっと40代くらいの中年層?
【レンタルビデオショップのアダルトコーナーを定期的に利用している人の割合】
20代男性:11.3%
30代男性:14.7%
40代男性:10.0%
50代男性:9.3%
60代男性:4.7%
全体平均:10.0%
なるほど、30代があの、18禁の暖簾の中に常駐してるのね。
下記はもっと面白い。
既婚20代男性:17.6%
未婚20代男性:10.5%既婚30代男性:10.5%
未婚30代男性:17.2%
最も多い30代のなかでも、未婚の30代が更に多い。
その次に20代既婚男性。
未婚30代は仕事のストレス、既婚20代は早く家庭もっちゃって遊べない憂さ晴らし、といったところか。
まあ、今だと、わざわざTSUTAYAに行くよりも、オンラインのFC2とかXVideoとかで無料でみれちゃうし、有料コンテンツも豊富にあるわけで、どんどんオンラインに流れてるって考えても、この比率そのままじゃないだろうか。
彼女がいない2ちゃんに書き込むような、そんな、かなりオタクっぽい具体的なターゲット像が思い浮かぶ。
ここにもあるけど、
2ちゃんねるの中心層は「IT系企業で係長をやっている30代」
なんだろう。
2ちゃんねるのスタートが99年らしいから、さすがに高齢化してる。
仕事のバリバリやって疲れてるわけね。スゴイよく分かるw
つまり、「IT系企業で係長をやっている未婚30代」がオンラインAVのロイヤルカスタマーのペルソナだ。
そして、これは、アダルトビデオのコンテンツ制作とオンライン販売を中心に、様々なサービスをオンラインで提供しているDMMのロイヤルカスタマーのペルソナそのものとも言える。
そんなDMMだが、ぱっと見、統一性のないいろんな事業をやっている楽天風なコングロマリットを想像させる。
しかし、私は、その奥にある全くブレない企業戦略を感じてならないのだ。
その理由を述べていきたいと思う。
DMM.COM証券
DMMのアダルト以外のサービスを見ていくと、オンラインゲーム、FXが目につく。
FXなんか、初心者の顧客属性考えていくと、、、、
これも、コアターゲットって、30代半ばくらいの独身男性でしょ。
しかも、軍資金ないニートじゃFXやるの無理だしね。
そこそこ金あって、オンラインに親和性あって、少々ギャンブル的なノリで、FXはじめちゃう人たちって考えると、なんとなく、アダルト動画買う属性とかぶってくるなと。
世界第2位の取引高を誇るDMMFX!スプレッドが業界最狭水準でデイトレーダに絶大な人気を誇るDMMFXに突撃取材をしました。
男女比は半々とはいかず、男性の割合が高いです。年代は30歳代が多く、次に40歳代、50歳代と経済情勢への関心が高い現役世代の割合が大きいです。
やっぱり30代男性、だ。
艦これ
それから、DMMのキラーコンテンツ「艦これ」。
ユーザー層をみてみると、
4Gamer読者がもっとも遊んでいるオンラインゲームは「艦これ」。1万3000人のデータから読み解くゲーマー最新動向。
こっちのコアターゲットは「ゲームとアニオタの技術系20代会社員男性」!
しかも、その他サービスみても、AKBのコンテンツも売ってるし、肉会とかもあるし、、
3Dプリンターだって、わざわざ3Dプリンターのデータ作るような人とかって考えていくと、職業がITなどの技術系じゃないとちょっと考えにくい。
つまり、他のサービスのターゲットも、おもいっきり同じ「クラスタ」にある。
何が言いたいかというと、アダルトビデオコンテンツの100万もある顧客リストそのまんま使って、
彼らがほしがるであろうサービスを片っ端から提供しているだけのマーケティング会社が、DMMの正体ということだ。
ほとんどの人たちは、企業のサービスや商品だけを見てしまう。
その商品やサービス=「その会社」という認識をしてしまうので、DMMのような脈絡のない事業をたくさんやっている会社は不思議どころか、薄気味悪くも感じるだろう。
彼らにとって商品サービス云々よりも、100万人のアダルトビデオ顧客リストに対して、喜んでもらえるサービスを必死に提供しているだけなのだ。
きっとあなただって、仕事中にタバコを吸いに行ったり、飲み物を買いに行ったり、昼には昼食を食べにどこかの定食屋やラーメン屋に並んでいるはずだ。
そして、仕事が終われば、どこかに飲みに行ったりもするし、休日には家族で出かけていくだろうし。
DMMの顧客だって、アダルトビデオだけをみて生活しているわけではない。
(ひょっとしたらそれに近いスーパーロイヤルカスタマーもいるかもしれないが、、、ww)
そりゃ、ギャンブル的なノリでFXに手を出してみたり、焼肉食う名目で女の子と合コンしたいし、魅力的な美少女が出てくるオンラインゲームだってしたい。
彼らの生活動線を理解して、商品を提供しているだけにすぎない。
しかも、DMMがズルいくらい狡猾なのが、人間の本質的なエグい欲求、「金」と「SEX」にフォーカスしてるってこと。
その他のほとんどのサービスもその先の裏テーマは、大なり小なり、この2つに帰結していくのがスゴイのだ!
3Dプリンターだって、先行者利益のある3Dプリンターの副業で儲けようぜ!的な話だろうし、DMMの中でも異色の英会話だって、フィリピン人の女の子と会話したい!って欲求刺激してるわけでw
とはいえ、魅力的な2次元美少女がでてくる「艦これ」だって、DMMじゃなかったら、あんな爆発的ヒットはしないだろう。
角川ゲームが持っていない、顧客リストをDMMが持っていた。
だからお互い組む意味があったのだ。
先のDMMの顧客のクラスタに、ばちこーん!とハマるコンテンツだったから、いっきにドカーン!と流行ったのだ。
このような、「顧客リスト」と「商品サービス」を分けて考えて、他社などとプロジェクトを組むことを
ジョイント・ベンチャーという。
ジョイント・ベンチャーという言葉は聞いたことがあると思うが、ほぼ9割の方が意味を取り違えて使っている。
協業という、表面だけを指して使っているからだ。
気の合う経営者や企業と一緒になにかすることがジョイント・ベンチャーではない。
まずは自社の顧客リストと商品サービスと、ジョイント・ベンチャー先の顧客リストと商品サービスを分けて考える。
例えば、自社が持ってる顧客リストが強ければ、そこに提案するだけで売れそうな商品サービスを持っているジョイント・ベンチャー先を探してくればいい。
そうすることで、商品開発の時間もコストもかけず、いっきに売上を上げることができる。
だから、顧客リストそれぞれ持ってる営業会社と営業会社が、これ一緒に売りましょう!なんていうのは、ただの協業。
それから、顧客リストが少ないが、よい商品サービスを持ってる人たちが集まっても、ジョイント・ベンチャーにはならない。
売り先ないからね。
異業種交流会で名刺交換しても仕事にならないのはこれが原因。
ずっと、私〇〇売ってるんですよ、って話をしていかなきゃならない。
だから、営業乙ってなるから、痛いのだ。
そう考えると、どんな強い商品より、しっかりとした信頼関係が築かれている顧客リストを持っている企業は圧倒的に強い。
自社の顧客リストがめちゃくちゃ反応しそうな商品サービスを持ってる会社に、「あんたの商品売りたいんだけど」って行けばいいだけだからね。
商品サービス開発しないで、探してきて、ジョイント・ベンチャー組んで売るだけ。
たぶん、DMMの社内の業務も、新規サービス立ち上げる時にやってることはほぼ一緒のはずだし、成功確率も相当高くなる。
それに、顧客リストの規模が大きいほど、いくらでも流行だって作れちゃうのだ。
実はマーケティングの最終的な形態ってここにあるのだ。
だから、どこよりも過激!とか、どこよりも企画が面白い!と、アダルトビデオのコンテンツばかり気を取られてると、DMMのようなマーケティング視点で経営している会社にいっきに持っていかれるのだ。
たぶん、DMMなんて、どのアダルトビデオメーカーよりも、エロに愛着ないんじゃない?
興味が全然顧客の生活に向いてるんだもん。
そりゃ、他は勝てないよ。
PS.
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