去年のクリスマスに神戸牛のシャトーブリアンをお取り寄せで購入した。
100g15,000円くらいしたのだが、店でたべたらこんなんじゃ済まないだろう。
少なくとも、3万じゃ食べれない。
私は料理が好きなので、きっちり両面焼いて、レアよりもレアの「ブルーレア」という状態でいただいた。
しかも、ステーキに合う塩と、ステーキソースも付いている。
説明書きには、最初の1分は強火で焼き、そのあとひっくり返して、中火で2分と焼き方まで書いてあり、
さらには、最初は塩で、それからお好みでステーキソースをかけてくださいと、食べ方まで書いてあった。
まあ、そのとおりに調理して、食べたのだが、びっくりするくらい美味かったし、家族も盛り上がったので、また何かの機会に購入すると思う。
非常に満足な商品だった。
さて、私が購入したECサイトは、神戸牛の問屋だ。
この問屋は、都内の高級店に卸しているようで、
またメディアにもちょこっと出ていたりと結構、名が知れているようだ。
高級店の神戸牛が家庭で安価に楽しめるとなったら、十分に飛びつく理由になる。
しかも、その卸先のレストランは、卸先として名前まで貸していた。
きっと、何倍の金額を同じ肉に払っても、その店に来店していただく価値をお客さんに提供できる強みと自信がある、というわけだ。
だから、レストランも問屋も共存できているのだろう。
これ、きっと、あなたのビジネスの環境と全く違うのではないだろうか?
もしあなたがなにか仕入れて販売しているようなビジネスをしているのであれば、
この神戸牛の問屋みたいなことをされたら、怒り狂うのではないだろうか?
あなたの販売価格より、ずっと安くお客さんに売ってしまうのだから、
あなたのビジネスにとってみたらひとたまりもない。
あなたはこのレストランのように、仕入先の問屋のサイトに、卸先として名前を貸したりすることはできるだろうか。
お客さんに、ウチの仕入先紹介しますよ!なんて提案できるだろうか。
ほとんどは、そんなことできないだろうし、いつ仕入先が反旗を翻してくるかヒヤヒヤしているのが大方だろう。
それは、あなたがあなたの顧客に価値を提供せず、右から左へと商品を売ってるだけだからだ。
では、どうしたら顧客に価値提供できるのか?
それは、顧客の悩みに徹底的にこたえることでしかない。
たとえば、もっと過度競争の酷い印刷業界の例を出そう。
たしか6年くらい前から、印刷のプリントパックというサイトがあるのだが、
色なんかある程度ちゃんとなっていればいいから、とにかく安く印刷したいというニーズに応え、
たくさんの案件を抱えることで、一回の版にいろんな顧客からの印刷をつけ合わせて、印刷することで、
圧倒的に印刷費を安く提供できるようになった。
こんなことをされたら、いままでの印刷会社はひとたまりもない。
今後印刷会社は全部潰れてしまうのではないかと、誰もが思ったものだ。
でも、それから6年後の今、印刷会社って、まだ生き残っている。
生き残っている会社と話してみると分かるのだが、
彼らは、ネットの印刷がやれないことでビジネスをしているのだ。
たとえば、封入作業が必要な大規模なダイレクトメールの印刷。
ネットの印刷屋で安く頼んでも、封入作業はどこかに依頼しなくてはならない。
だったら、従来の印刷会社でいいじゃないか、ということになる。
一番需要があるのが、納期の短い印刷物。
これなんかは、ネットの印刷屋に依頼したら、絶対にコントロールできない。
彼らは発送日だけを約束し、そのあとの物流は運送屋まかせだから、納期に間に合わないなんてことはザラだ。
こうやって、生き残っている印刷会社の話を聞いていくと、
ビジネスの強みが全然変わってきていることに気づく。
いままでは何処よりも安いです!を振り上げていたのが、
内職が強みになったり、物流が強みになったりして生き残っているのだ。
もはや、彼らの競合は印刷会社でなく、物流会社だが、商業印刷よりも物流の方が規模も量もたくさん案件があるだろう。
それなら物流の土俵で「印刷もできる物流会社」としてやれば、勝手に案件が流れてくるのだ。
そしたら激安の印刷会社なんて、勝手に価格競争やらせておけばいいのだから、
安い印刷会社ご紹介しますよ!なんて、クライアントしたらめちゃくちゃ嬉しい提案ができるようになる。
こうやって、たとえ印刷機があなたの会社にあったとしても、印刷会社としてだとどうしても売上が下がると判断するのであれば、
お客さんの悩みを解決出来る部分はどこにあるのか、今一度考えてみるといいだろう。
外注していた物流機能で解決できると判断すれば、物流を強く押し出してみたり、
カタログや広告の色が合わないと悩んでいる広告代理店やデザイン会社がクライアントなら、
外注先との提携で印刷の色をドンズバでだせるようなことができるのであれば、印刷校正力をアピールするのもいいだろう。
冒頭のレストランだって、値段で勝負していない。
完全に、ロケーションとシェフの腕でがウリだ。ここが価値だ。
だから、私なんか家で食って美味かったから、今度はレストランだったら仕事の接待で使ったら喜ばれるなとか思い、
仕入先のレストランもチェックしてしまう。
強みをはっきりさせることで、一見競合の問屋がガンガン売るほどに、店の集客になったりするのだ。
こうやって、強みを際立たせることは、ビジネスの起死回生になったりする。
どんなビジネスだって、◯◯屋と決めつけてはいけない。そんなことでは片付けれらない多面性があるのだ。
だって、何度も言うけど、過度競争の典型の印刷屋だって、いろんな業務やってるんだから。
あなたのビジネスの業務のどの部分にニーズがあるのかを理解し、そこを磨いて行けば、どんな過度競争でも乗り越えていけるのだ。
これの考え方が、マーケティング用語のUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)と言われているもの。
あなたの顧客が依頼したくてたまらなくなる、ビジネスの見せ方をつくることができるのだ。
ちなみに、このUSPってやつは、私が知るかぎりどんなコンサルに聞いても解決策は出てこない。
もちろんやり方や考え方は教えてくれるけど、あとは自分で考えてね!で終わり。
だって、彼らは情報を教えるだけで、あなたのように実業で顧客と仕入先やスタッフたちに挟まれたり、
競合の価格競争に苛ついたりしながらのリアルビジネスなんてやったことないんだから。
自分の顧客と真剣に向かい合って、インタビューしていきながら、なんども検証していかないと作れないのがこのUSPだ。
まさに、マーケティングのコア戦略だし、生き残りをかけるための戦略立案になるのだ。
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