バカとハサミと”マーケティング手法”は、使いよう。〜マーケティングの本質である”戦略”の話〜 – アナーキーマーケティング

バカとハサミと”マーケティング手法”は、使いよう。〜マーケティングの本質である”戦略”の話〜

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FROMマーケティングプロデューサー加藤元康

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私は、昔から、実演販売とかが大好きである。

子供の頃、今はなき、青物横丁があった秋葉原デパートの入り口の前で、包丁の実演販売のオッサンを見てても飽きなかったくらいだ。

いまでも、実演販売とか試食とか見ちゃうと、買っちゃう。

ほんと売り込まれんのが好きなのだ。笑

二子玉川の再開発が盛り上がりを見せているということで行ってきた。

楽天も引っ越すようだしね。

いやあ、なめてた。めちゃくちゃ人が多い。家族連ればっか。

蔦屋家電とか、いろいろ見て回ったけど、デパ地下の集客力はさすがである。

その中で、ひときわ賑わっている店があった。

冷ケースのなかにウマそうなチーズをゴロゴロとディスプレイした、チーズ屋である。

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実は、私はチーズに目がない。

中の店員がガンガン試食させて、客を寄せ付けまくっている。

私は憑き物が憑いたようにふらふらと、店前に吸い込まれていく。

冷ケースの中は、ヨーロッパのチーズを中心にした品揃えなので、かなり高めの値段設定である。

おすすめの商品は、目見当で切られた1ブロック200グラムくらいのチーズで、2,000円前後だ。

そして、200グラム以上は15%値引きというオファー。

2,000円の15%引きは結構嬉しいオファーである。

200グラム以下の値段で、200グラム以上が買えるんだから。

で、ガンガン試食させてるわけだ。

しかも、それ以外の商品に目をやった瞬間に、そのチーズもすかさず試食させる。

客の要望を先回りして、試食させるという、荒業である。

購買心理において、返報性の法則という考え方があるのだが、それを徹底しているだけなのだが、徹底しすぎて術中にハマる。

そして、どれを買うべきかと、選んでいる間にも、他のを薦めてくるので、

試食するたびに、返報性の法則が働き、買わなきゃいけないという罪悪感を植え付け、

しかも、濃い味わいの美味いチーズを少量食べさせることで、もっともっとと腹を空かせさせる。

※返報性の法則については、「影響力の武器」を参照。

もはや、これはただの試食ではない。

マーケティング用語で申し上げるのであれば、

返報性の法則を完全に狙った、恐るべき完璧な無料オファーである。

しかも、その店のレジは奥の方にあって、他の商品の前を通らないと会計ができない。

その会計前に本丸の登場である。

北海道でチーズを作っている若き酪農会社の社長が、朝作ってきたクリームチーズを試食させているのだ。

クリームチーズは鮮度が命らしく、出来たては驚くほど美味い。

そんなもの食わされたら、買っちゃうじゃないか。

私は、この完璧なアップセルの罠に引っかかる。

だって、試食しながら、作った本人からウンチクを聞かさせるのだ。

今朝作って、今日持ってきて、ここで売っているのだ。

もはや、味云々じゃない。

生産者自ら、作った時のプロセスを語られた時、これほどの説得力はないわけで。

ウリ文句を立て板に水にまくし立てる、優秀な営業マンなんかより、よっぽど説得されちゃう。

こうやって、直接販売会社に乗り込んで、手売りしている生産者が売り込む試食と、

やり手のパートのおばちゃんが、肉焼いて食わしている試食、どっちが説得力があるかって話だ。

想いのない人が売ると、どうしてもペラッペラになる。

結局、作った本人が、その想いを売り場に持ち込んで、直接売り込む以上の営業はないのだ。

この酪農会社の社長は、完全なマーケティングの根本を実現しているといっても過言ではない。

このような売り手の熱い想いの軸がないと、マーケティングは二転三転として上手く進まないのだ。

だって、お客さんに、なにも伝わらないから。

マーケティングって、媒体にメッセージを載せて、多くの人達に売り込むノウハウだと思っている方が多いが、マーケティングの本質はそこにはない。

この場合だと、酪農会社が食品販売会社に売ってもらってる、というマーケティング(販売)戦術だ。

だが、このマーケティング戦術自体は、商売の本質ではないというのは分かっていただけると思う。

そんなことは、タダのカタチにすぎない。

ほとんどの会社は、ウェブサイトで集客したいとか、営業マンを入れて売上上げたいとか、こんなタダのカタチに大枚払って、効果がでない、と言ってるのだ。

マーケティング、いや商売って、顧客や見込客の欲求を満たして、満足させる以上に、驚きのある、しかも作り手の想いの入った商品サービスを届けることに他ならない。

要は、情報の受け手が従来知ってたことが実は違ってた、つまり、パラダイムシフトという驚きを与えると、人は満足を超えた感動を覚える。

先の例であれば、チーズなんて熟成させるものだと思ってたのが、クリームチーズは朝作ったのが一番美味いってこと。

いままでの私の常識の真逆なわけだ。

この情報にたいして、おお!なんてっこった、買ってみよう、ってなるわけ。

つまり、マーケティングの本質の一つは、このパラダイムシフトなのだ。

これは商品が正解一とか、販売量が世界一位とかを指すのではなく、目の前の顧客に与えた情報が、顧客にとって衝撃的かどうか、だけである。

考えても見て欲しいのだが、それって、資本力も、人件も、設備投資も、競合以上に必要じゃなかったりするのだ。

業界標準、いやそれ以下でも、できることである。

このパラダイムシフト、作り手の想いを、自分以外の人たちやメディアを利用して拡散させることを「マーケティング戦術」という。

一方、マーケティング戦略というのは、マーケティングの本質を紐解いて、例えば、パラダイムシフトをどうやって戦略的に見せていくかという、マーケティングの心臓部を作り上げる作業である。

これが決まれば8割のマーケティング施策は終わっているといっても、過言ではないくらい最重要。

しかし、あなたもお察しの通り、これがちゃんとできるマーケッターや広告関係者は非常に少ない。

だから、おかしなマーケティングの記事が毎日のように上がってきて、それを毎日あなたは見ていたりする。

私から言わせれば、仕事でマーケティングに従事している人ほど、”大手クライアントを相手にしていることが自慢な”マーケティング屋に洗脳されてるわけだ。

自分でモノ売ったことないからね、ほとんどの代理店やマーケティング屋は。

マーケティングを実施するための「道具」を売ってるだけ。

彼らは、その使い方まで教えてくれない。

バカとハサミはなんとやら、って昔からいうでしょ。

マーケティングも「使いよう」をあなたが知らないと、ただただバカをみるだけなのは、言うまでもない。

いまインターネットに毎日でてくる、マーケティングの記事をあらためて、見てみるといい。

ほぼ全部、マーケティングの「道具」の記事しかないから。

まあ、いいとこ「道具」の作り方とか、設定の仕方、くらいじゃない?

コンテンツマーケティングの方法、かっこいいCMの企画の仕方とか、イケてるWEBクリエイティブの話題とかからはじまって、

流行のSNSの使い方や、コピーライティングの仕方とか、WordPressの使い方とか。

全部方法論を提供している。

こういう方法という「道具」を駆使して、見込客を集めたり、売り上げたりする方法なんか、まずどこも書いてないから。

これね、みなさん、書いてないんじゃなくて、書けないの。知らないから。

それに、”最新の”とか、”今海外で流行っているインターネットの”「道具」の話したほうが、マーケティング屋は売りやすい。

売上上がることだけ考えたら、めんどくせぇ本質論なんか言わないで、目新しい物を買わせて、何度もリピートさせたほうが儲かる。

PPCやばいっす、今はSEOです、とかね。

そういうのは、ほっといたって、新しいものは次々と出てくるから。

私みたいな本質論をぶっ込んていく売り方は圧倒的に売りにくい。

だって、マーケティングみたいな広義な意味をもつ、眼に見えないものは、本質を理解し難いからだ。

眼に見えない物事の本質を理解するには、いろんな角度から、いろんな視点から切り取って、どれにも当てはまるような概念がどこにあるかを見つけ出さないとならない。

そんなことが必要なことが、まったく気づいてないのだ。

だから、”マーケティング専門”コンサルタントですら、方法論を教えるだけになるし、”マーケティングに詳しい”経営者や企業のマーケティング担当などは、チラシで集客してくださいとか、こんな風なデザインでサイト作って下さいとか理由のわからん発注をしたり、今流行りのコンテンツマーケティングやりたいんだよね、みたいな的外れな依頼をしたりする。

表面的な対処療法をしてても、体質改善は難しい。

いやいや、そんなことより、お宅の経営方針教えてくれ、そんで競合調査を先にやろうぜ、と。

みんな面白いくらい、知ったか面下げて道具を追ってる。

ちなみに最新マーケティングほど、1〜2年で廃れるから。笑

マーケティングの戦略がないと、いくら最新マーケティング追っても、ほとんど意味ない。

むしろ、本質を理解すると、さっき言ったみたいな、マーケティングの「道具」が時代の流れで変わっても、流行ってるのに差し替えればいいだけなのだ。

目の前の客をパラダイムシフトで感動させていくという、そういったマーケティングの戦略に関わるものは、たとえ50年経っても絶対に変わらない。

競合の熟成チーズが一般的にに広まるほどに、新鮮なチーズの体験を知らない人に驚きを与えていけばいいんだから。

だって、それがマーケットの常識になったとき、その会社のクリームチーズのマーケットシェアは驚くほど圧倒なシェアを誇ってるはずだから。

そして、最後に。

このブログの本当の目的は、あなたのような経営者やマーケティングに携わる仕事をしている方々に、マーケティングの「パラダイムシフト」と「共感」を提供してるに過ぎなかったりするのだ。

だから、ほかのマーケティング関連のブログに比べて、だらだらと冗舌なんだ。

あの酪農会社の若社長みたいに。

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